Can-Amブランドの前2輪/後1輪の三輪バイク〝リバーストライク〟を手掛けるBRP(カナダ)。日本市場における売上構成は22年実績で水上バイク70%、スノーモービル17%、そして三輪バイクとATV(バギー)あわせて13%となっている。

三輪バイクのラインアップは従来通り、上位機種「スパイダー」とエントリー機種「ライカー」。売上比率は63:37で、日本法人の代表・毛塚基治氏によれば「ちょうどいい比率」という。

販売網は23年12月現在で全国24店舗。東名阪が強いが、北海道や沖縄のレンタル需要も大事なところだ。

23年の販売動向については「年初から4月頃まで苦労」したという。そこから戦略を練り直し、徐々に盛り返している途上。11月末時点で前年比64.6%だが「年末まで可能な限り前年と同等に近づけたい」というところだ。

苦労した要因は、22年から続く値上げだ。円安が響いた。

一方、ポジティブな要素もある。コロナウイルス感染拡大がひと段落し、対面イベントが活発化したことだ。23年はジャパンボートショー(横浜)、名古屋モーターサイクルショー、名古屋モビリティショーにて「スパイダー」「ライカー」を展示。好感触を得た。

画像: Can-AmスパイダーRT

Can-AmスパイダーRT

「普通自動車免許で乗ることができる三輪バイクは、多くの人がオープンエアで跨って楽しめるという、その新鮮さを味わうことができる。四輪車ユーザーを、二輪車の世界に誘う架け橋ともなりうる」

二輪車業界に対し、そんな役割を担うことができればと毛塚氏は語る。

また23年は自社イベントも再開。7月には箱根で「スパイダー」「ライカー」のメディア発表会を開き、一般ユーザー対象の試乗会も実施した。その後、名古屋と仙台でも試乗会を開催できた。

「やはりディーラーやユーザーと直接お会いすることは大切。車両に乗っていただくことこそが、三輪バイクの魅力をわかっていただくことに直結すると実感した」

そして大きかったのは10月、4年ぶりにオーナーズミーティングを開催できたことだ。舞台は長野県栄村。地元自治体や隣接する新潟県警などの協力も得て、大規模なイベントとなった。

「遠方は九州からの参加もあるなど、総勢150台が集結。皆でほぼ途切れることなく約20kmを走ることができた。付近の山を一望できるパノラマの中、ATV試乗体験も実現。地元のホスピタリティも素晴らしく、充実したイベントとなった」

画像: Can-Amオーナーズミーティングの模様

Can-Amオーナーズミーティングの模様

画像: Can-Amオーナーズミーティングでは、参加者全員で約20kmを走った

Can-Amオーナーズミーティングでは、参加者全員で約20kmを走った

「やはり我々の商品というのは、単なる売り物ではないのだと。それに乗ってどこに行くのか。そこでどんな人と会って、どんな体験ができるか。そこに価値があるのだと、皆様の笑顔に触れ、それを改めて認識できた」

下半期には販売数も回復してきており、23年も決して悪い年ではなかったようだ。

「地道な努力には市場も応えてくれる」

好感触を胸に、24年もリアルイベントを重視する方針だ。また四輪車ユーザーに向けたプロモーションでも一定の効果を得ており、これも継続していく。

※肩書は2024年1月1日 本紙「新年特別号」発行時のもの

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