アサマピークスは、2021年3月に閉館した旧浅間火山博物館の建物をキズキホールディングスが長野原町から借り受け、電動二輪車を用いた屋内アクティビティ施設「e-TRAIL PARK(トレイルパーク)浅間」として開設したもの。
e-TRAIL PARKで遊びの場提供
同施設のお披露目会当日には、長野原町の萩原睦男町長とキズキホールディングスの松崎一成代表取締役が包括連携協定を締結し、協定書への署名が行われた。同社は『バイクでお客様の人生を豊かにする』を企業理念としており、長野原町と交わした締結では、同町において乗り物の種類を電動モビリティにまで種類を広げ、町民や観光客の移動手段を確保するだけではなく、地域交通のインフラとして整備することを目指すという。
電動モビリティで地元自治体と提携
締結が行われた後、主催者であるモトツアーズジャパンの原田美和取締役社長があいさつ。「本日に至るまで、多くの方々のご協力を賜りましたことを改めて感謝申し上げます。まずは電動バイクで遊んでいただくアクティビティ第1号としてe-トレイルパーク浅間を4月26日に正式にオープンいたします。そして、日本全国や海外からのインバウンドを含め、長野原町の魅力を国内外に発信し、多くの観光客の方を誘致することをここにお伝え申し上げます」と述べ、アサマピークスを拠点に長野原町の魅力を訴求していく旨を表明した。
続いて、松崎代表があいさつ。「北軽井沢は、日本で初めてのオートバイレース“浅間火山レース”が開催された場所で、いわば日本のバイク業界にとって聖地であります。そんなバイクの聖地である北軽井沢で、二輪車の新たな楽しみ方としてバイクツアー文化を根づかせたいと思います。また、次世代のモビリティであるEVバイクの施設e-トレイルパークをアサマピークスのアクティビティのひとつ目の施設としてスタートさせ、ここから再び北軽井沢をバイクの聖地としてよみがえらせたいと考え、出店を決断いたしました」と述べた。
松崎代表のあと、萩原町長が登壇。「ここ浅間火山博物館は長い間、長野原町の歴史を紡いできましたが、コロナ禍の影響で閉館を余儀なくされておりました。この施設をどうやって再生していこうか、五里霧中であった長野原町に手を差し伸べていただいたのが、キズキホールディングスの松崎社長でした」と振り返り、「今日のオープンに至ることができたのはキズキグループの皆さんのバイクと北軽井沢に対する、深い愛情と熱い情熱の賜物であると感じております」と述べた。
ほか、来賓で冒険家の風間深志氏と日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)の鈴木哲夫会長が登壇し、祝辞を述べた。
オープンしたアサマピークス周辺は浅間山北嶺ジオパークの拠点施設内に立地することから、鬼押出し溶岩の中や浅間高原の原生林を歩ける自然遊歩道などが整備された自然豊かなエリアとなっている。また、持続可能な施設運営を目指して▽ゴミは極力出さずにリユースする▽使い続けるものは自然から享受する──を原則として施設を改修したという。
屋内には電動二輪車のアクティビティ施設e-トレイルパークを設けており、敷地面積は1500平米で、全長800mのコースを設置。コースには浅間山に見立てた高さ約2.5mの立体橋もあり、参加者のレベルに合わせたコースを設定する。
また、持続可能な施設運営というテーマの下、従来の施設で使われていたテーブル50台を“テーブルラン”というセクションに作り変え、全部で40台用意した電動二輪車の充電も含め、館内で使用する電力はほぼすべて太陽光で賄うなど、環境負荷を最小限に抑えたとしている。なお、コースについては「全てスタッフによる手作り」(施設スタッフ)で、初心者から熟練者まで楽しめる内容となっている。
今後は二輪車の免許を持たない若年層向けにキッズ用電動二輪車も用意。インバウンドもターゲットに、幅広いユーザーに楽しんでもらえる施設にしていくという。
◆e-TRAIL PARK浅間(アサマピークス内)
▽基本料金(税込)=30分/3850円、60分/5500円(10分追加/1100円)
※長野原町民、嬬恋村民は基本料金50%OFF
▽オプション=ヘルメットとグローブセット/550円、プロテクターセット/550円、インストラクション/2200円/▽体験コース3周/550円
▽住所=群馬県吾妻郡嬬恋村鎌原1053-26▽℡=0279・86・3551▽営業時間=10時~17時▽定休日=月・火