━━BRPジャパンの指揮を取るということは、Can-Amスパイダー/ライカーのみならずBRP社の他製品を取り扱うことになるのですね。
「日本市場に導入している製品については、国内で認可が取れるものは極力入れています。BRPジャパンの売上構成で約7割を占めるSea-Doo(水上バイク)、Ski-Doo(スノーモービル)を取り扱っています。春夏を中心としてSea-DooやCan-Am、冬はSki-Dooと、1年中繁忙期といった具合です」
━━幅広いですが、スタッフは何名体制ですか。
「BRPジャパンとしては全15名です。他、APAC(アジア太平洋)のスタッフも関わってくれています」
━━西様ご自身として長くレジャービークルに携わっているかと思いますが、北米の企業にジョインしたのは初めてでしょうか。
「欧米メーカー3社で10年ほど仕事をしました。そのうち二輪車に携わったのが約8年です」
━━BRPジャパンから発表されたプロフィールを拝見すると、職種も幅広いなと。「国内外における営業、マーケティング、ネットワーク開発、部用品セールス、サプライチェーン等」とあります。
「色々と話が舞い込んできまして。それぞれ忙しく従事している中で、何とか自分の知見を広げることができたかなと。そういう環境にいたことを感謝するばかりです」
━━幅広い経験、ノウハウが今後に活かすことができそうですね。
「はい。尖ったブランドですし、自分の性分とも合うのではないかと考えています」
━━Can-Amスパイダー/ライカーもまさに独特な商材です。その強みと課題を伺いたいと思いますが、まず強みは何でしょう。
「やはり二輪免許がなくても乗れること。AT限定の普通免許でも運転できるので、オープンエアーの爽快感に目覚めたドライバーもお客様になりえます」
━━独特な乗り味を知ってもらえれば、幅広く訴求できそうです。
「間口を広げるため、6月にもバイカーズパラダイス南箱根で試乗会を実施しました」
「また二輪車ライダーの皆様にとっても『もう一つの選択肢』となるように。例えば大排気量バイクに乗っていた方が、気軽に乗れる中排気量クラスへの乗り換えを選択する場合がありますよね。そのときもう一つ、『立ちゴケしない乗り物』という選択肢として定着させたいところです」
━━リッターバイクはそろそろしんどい……といったベテランライダーが魅力を感じる可能性は大いにあるでしょう。そこで選択肢として定着するにあたり、課題は何でしょうか。
「やはりまだまだ日本国内で知られていないことです。『3輪バイク』と聞いたとき、おそらく大多数の方が思い浮かべるのがハーレーダビッドソンのトライクでしょう。『3輪バイク』『トライク』といえばCan-Am、という図式を定着させたい。二輪車に詳しくない方もハーレーと聞けば何となくイメージできるように、Can-Amと聞けば『ああ、あの特殊な形をした乗り物ね』と。そう思っていただけるくらい浸透させたい」
━━存在感を増していくための施策を、いま練っていることと思います。
「はい、中長期計画を立てつつ、まず手始めにSNSでの発信ですね。インフルエンサーと協力してCan-Amスパイダー/ライカーを広めてきた活動を、継続・強化します」
「あわせてオーナー様の所有感を満たすこと。スパイダーやライカーを持っていて『良いな』と実感していただけることが大事。9月15日のCan-Amオーナーズミーティング2024をはじめ、オーナー向けのイベントは継続的に開催していきます」
オーナーズミーティング開催 滋賀に228人集う
BRPジャパンは去る9月15日、三井アウトレットパーク滋賀竜王(滋賀県蒲生郡竜王町)で「Can-Amオーナーズミーティング2024」を開催。三連休の中日、好天にも恵まれて228人のCan-Amスパイダー/ライカーオーナーが参加した。
ケベック州政府在日事務所の後援も得たこのイベントは、「仲間と一緒に走りを楽しみたい」といった思いを共有する全国のCan-Amオーナーに、つながりの場を提供するもの。参加者全員で走る合同ツーリングも実施された。