CFMOTOモーターサイクルジャパン代表取締役 佐藤芳樹氏

取材に応じる佐藤代表
「中国で現地企業が所有する迎賓館のレセプション業務を請け負っていたのですが、その人の紹介でCFMOTOの関係者を紹介してもらいました」と、佐藤氏は振り返る。
その後、日本に250cc水冷2気筒エンジンを搭載するスポーツモデル「250SR―S」を持ち込み、自身のレーシングチームで地方のロードレース選手権に参戦したところパフォーマンスの高さに驚き、すぐに虜になったという。
佐藤氏自身も90年代初めに国際A級ライセンスを取得、95年には鈴鹿8時間耐久ロードレースにも出場したことがあるレーシングライダーで、当時のライダー仲間達にもCFMOTOの魅力を伝えて、徐々に販売台数を伸長。今春のモーターサイクルショーで初出展したのも、さらに認知を広めていきたいからだとしている。「販売店さんからの評価も高い。私自身も長く乗っているが、乗れば乗るほど魅了される」と語る。
同社が取り扱うCFMOTOは排気量150cc以上のモデルで、軽二輪クラスでは249cc単気筒エンジンを搭載するクルーザーモデルの「250CL-C」と前述の250SR-S、それにネイキッドモデルの「250NK」等を揃える。
小型二輪では449cc水冷2気筒エンジンを搭載するクルーザーモデルの「450CL-C」とボバースタイルの「450CL-C BOBBER」をラインアップする。新型では、同エンジンを搭載するアドベンチャー機種の「450MT」が主力商品として卸販売中だ。一方、675cc水冷3気筒エンジンを積むスーパースポーツ機種の「675SR-R」がまもなく日本でも公道デビュー予定となっている。
導入して以来の売れ筋モデルは「250CL-C」で、国内では軽二輪の同ジャンルのベストセラーモデルと比べても遜色のない走りを提供しているという。「試乗したユーザーからは乗っていて楽しいと言われる。山岳路を走っても気持ちいいという声をいただいている」と力を込める。販売店にも、CL-Cをユーザーにもっと訴求してほしいと伝えているそう。
また、新車保証は2年付けており、純正部品についても主な重要部品は一定数を確保しており販売店への問い合わせ・注文もすぐに対応できようになっている。
現在は、輸入二輪車をメインに取り扱う併売店21店舗がCFMOTOの取扱いを始めているが、これからは国産車の併売店へも卸していきたいという。一方、店舗や会社名ではなく“CFMOTO”の看板を掲げている販売店もあるが、基本は各地域でテリトリー制を取っているとしている。「都道府県ではなく、市区町村名を掲げてもらえれば承諾しています」と述べる。
部品供給体制も構築 販売店契約にもこだわり
今後も取扱い店舗は増やしていくが、店舗へ足を運びオーナーや販売店を直接確認して契約を結んでいる。メンテナンス体制やユーザーの応対など販売店の現地確認もあるが、他にも理由があるという。「販売価格にこだわっているのか重視しています。スタッフにも声を掛けて、オーナーとそうした理念が一致しているのか話を聞いています」と説明する。
売上げのために価格で差別化を図ると短期戦略では良いが、中・長期ではスタッフはもちろん店舗全体が疲弊してしまうからだ。販売価格にこだわることで、長期にわたり安定した店舗運営をしてほしいという想いがあるという。実際に、訪問した販売店の中には契約に至らなかった所もあると打ち明ける。
現在、東京都狛江市には直営のショールームを設置しているが、販売は行っておらず展示・試乗のみで、購入を希望するユーザーには居住する近隣の販売店を紹介している。ショールームは今後、展示・試乗に特化しつつ車両数を増加、店舗面積を拡大した旗艦店“CFMOTO東京”の構想もあると述べる。さらに、これからは二輪車専門メディアや販売店を招いた試乗会も検討しているという。

今後導入予定の800MT EXPLORE。トップやパニアケースは用品で設定される
「メンテナンスや修理で補修が必要な部品の、供給体制も整えることが出来た。新型のアドベンチャーモデル450MTの入荷もスタートしたので、全国のファンに早く試乗してもらいたい」と、力を込める佐藤氏。さらに799cc水冷2気筒エンジンを搭載したアドベンチャーモデル「800MT EXPLORE」も導入予定。フロント19インチ/リア17インチを装着し、トラクションコントロールも装備。RDSリアレーダーも装備した最新鋭のモデルとなっている。
今後もカテゴリーを拡充し、ラインアップを増やしていくという。

東京都狛江市に立地するCFMOTO東京
◆CFMOTO東京=東京都狛江市中和泉4-1-8▽℡03・6809・4457▽営業時間=10時~18時(月~金曜日)▽土日祝は要来店予約※レースやイベント参加・出展時はお休み