SPIDIが打ち出す安全性とデザイン性の融合

SPIDI製品を解説するシモーネ氏
「1977年の創業以来、イタリアの伝統を受け継ぎ、デザインと安全性が共存するSPIDI。その製品は全て、『快適性とスタイルを損なうことなく、ライダーの安全性を高めるにはどうすればよいか』という根本的な問いから生まれている」
SPIDIで輸出マネージャーを務めるシモーネ・フィン氏は、そう語る。初来日は1999年。幾度となく見てきた東京モーターサイクルショーについて、「日本市場のみならず、アジア全域の市場にとって非常に重要なモーターサイクルショー。25年ほど前から雰囲気、印象はあまり変わっていないようだが、規模が拡大しているのでは」と語る。演出などの斬新さについては、北京などのモーターサイクルショーが先を行っているとの印象を持っているようだ。
日本市場におけるSPIDIの戦略について、「真の目標は日本の市場において、日本の文化やニーズを尊重しながら成長していくこと」であると説く。

ハイテク・プレミアム性を印象付けたSPIDIコーナー
そこで今回の出展は、特色であるハイテク・プレミアム性を前面に打ち出す内容とした。目玉アイテムは高機能ツーリングジャケット「SPIDIフロンティア・プロH2アウト」だ。シモーネ氏は言う。
「このジャケットのコンセプトは、アドベンチャーツーリング。オールシーズン、オールウェザー対応となっている。シンプルなジャケットで、ライナーは不要。季節を問わず一日中、1枚のジャケットでツーリングを楽しむことができる。暑い時は大型ダイレクトベンチレーションを開けて通気性を確保。高密度ナイロンのメインシェルにH2OUT防水透湿膜をラミネートし、雨が降っても安心だ」
「このジャケットでもう一つ重要な点は、プロテクション性能。欧州安全規格CE認証のAAクラスを取得しており、長距離ツーリングでも非常に高いプロテクション性能を発揮する。そして、このイタリアンデザイン。色合い、配色、質感も他ブランドの製品とは一味違うでしょう。安全性、快適性、デザイン性を兼ね備えた、これがSPIDI製品だ」
それでは日本人がサイズを選ぶ際、小さめを選ぶなど注意すべき点はあるだろうか。
「SPIDIのフィット感は、まさにアジアンフィットと言っていい。私たちイタリア人は日本人のように、きちんとしたシルエットの服を好む。日本製のウエアと同じサイズを選んで違和感はないだろう」
ただしライディングパンツについては、アジア向けに丈を10cm短くした仕様を用意している。
「コロナ禍以降、多くの新しい消費者、新しいライダーが増えた。急増したライダーたちに、装備の重要性を理解してもらわなくてはならない。特に日本ではそれを強く感じる。バイクに乗ることは危険を伴う可能性があり、風、雨、砂塵、雪、高温多湿などあらゆる天候にさらされる。従ってバイク専門ブランドが製造したウエアを着用することが重要であると、しっかりと伝えなければ」
古くはケニーロバーツがSPIDIのレーシンググローブを愛用。それから今日まで、初めてプロテクションを備えたジーンズをはじめ、革新的なライディングギアを継続して世に送り出してきた。プロテクションとカジュアルを融合させたスタイルを、日本でも根付かせたい。
BMCエアフィルターは技術への関心に手応え

特別仕様「CRF」シリーズ。箱には社長からのメッセージが刻まれている
BMCエアフィルターのコーナーでは、「スタンダード」「レーシング」に加えてカーボンフレームの「CRF」という3つの製品ラインアップを展示。それらの吸気効率を、ノーマル仕様のそれと対比できる装置も用意し、来場者の関心を呼んでいた。
さらにはBMCエアフィルターを採用したMotoGPマシンYZR-M1も展示していたのだが、「先端部分をよく見て」と促された。この車両のカウルを同社が手掛けているとのことで、ノーズにBMCエアフィルターのロゴがあしらわれていた。高いカーボン成型の技術で軽量化に寄与しているのだと、このたびイタリアから訪日した輸出責任者ファビオ・パスクアローニ氏、イタリア国内営業およびモーターサイクル関連の技術エキスパートを任ずるステファノ・ピリーニ氏が教えてくれた。
MotoGPマシンの軽量化にもBMCの技術が寄与
「各国のモーターサイクルショーはそれぞれ異なった特徴を持っている。東京モーターサイクルショーのお客様は、きらびやかなこと以上に技術的な部分をしっかり見てくれているように感じる」
東京モーターサイクルショーの印象をステファノ氏が語る。自社製品についてはどのような部分が注目されているかと尋ねると、ファビオ氏がこう答えてくれた。
「純正のエアフィルターと、BMCエアフィルターとの違いを、はっきりと見て取られ、非常に満足されたかなと。やはり日本の消費者の方々は、クオリティに対して非常に高い関心を寄せられていると実感できた。弊社製品は100%イタリアの自社工場で製造されており、品質管理を一から十まで全て行っている。そうした品質へのこだわりが、日本のお客様に合致するのではないかと考えている」
日本においては長らく輸入代理店のない状況であったが、このたび山城との提携を決めたことについてファビオ氏は言う。
「この業界において伝統的な会社である山城さんと出合うことができ、我々の製品をしっかりと販売していってくださるであろうと信頼を置いている」

左より山城の片桐氏、BMCファビオ氏とステファノ氏
東京モーターサイクルショー会場には、キャブレター用のフィルターも持ち込み、旧車ファンから熱い視線を浴びた。これら吸気効率の高いBMCエアフィルターを、公道走行においてはどのように体感できるのであろうか。
「基本的にはやはりパフォーマンスを上げること。たくさん空気を吸い込むことによって、より一層性能が上がるということと同時に、しっかりとエンジンを守るという2つの効能がある。またBMCの交換フィルターには、洗浄して再利用できるというメリットもある」
湿式タイプのBMCエアフィルターは、専用のメンテナンスキットを用いることで繰り返し使用できるのも利点だ。全部で約3000種という豊富な製品ラインアップから、日本市場ではどのあたりを中心に据えるか。どういったライダー層に訴求していくか。

キャブレター用フィルターも注目を集めた
「今回の東京モーターサイクルショーでは、キャブレター用フィルターへの反応が多くあったように思う。欧州と日本では車両のトレンドが異なるため、一定の時間をかけて見極めたい」
山城の取締役・片桐豪氏が、手応えと抱負をこう語った。



