BLFは13年9月に第1回が三重県鈴鹿市で、14年8月には第2回が静岡県浜松市で、15年9月には熊本県で行われてきており、今回で4回目。今回は兵庫県と神戸市の2自治体共催となったため、「BLFin兵庫・神戸」と銘打たれ、「神戸ファッションウィーク」とコラボし、神戸市内にある商業施設の神戸ハーバーランド・スペースシアターをメイン会場に開かれた。
ロードマップ 取組状況報告
冒頭、主催者を代表して経産省製造産業局自動車課の河野太志課長が、来賓を代表して兵庫県の金澤和夫副知事と神戸市の岡口憲義副市長がそれぞれ挨拶した。
続いて二輪車産業政策ロードマップの主な取り組み状況について、経産省製造産業局自動車課の高橋一幸課長補佐が説明した。
▼安全・安心な二輪車の醸成=胸部プロテクター着用&ヘルメット適正着用の推進▽JMCA胸部プロテクター推奨制度(16年8月スタート)▽グッドマナー・ジャパンライダーズ宣言(4万人)▽安全運転講習「グッドライダーミーティング」(全国115回開催、4000人参加)▽高齢運転者対象講習会
▼社会との共生実現 不正改造の撲滅(不正改造車を流通から排除、国土交通省、警察庁に街頭取り締まり強化を要望)▽災害時に活動する二輪車を紹介▽三重県南部10市町でツーリングマップを作成し通知で地域活性化
▼社会基盤の整備 日本二普協全国バイク駐車場案内サイト(7600カ所・15万台分を案内)▽同サイトで駐車場リクエストを募集▽駐輪場への原付二種まで受け入れ条例改正を自治体に要望▽ETC購入助成金を要望し実現▽高速道路料金の車種区分を軽自動車と分けて二輪車として独立および適正料金化を要望
▼免許制度の見直し 小型限定免許取得容易化の検討(取得短縮のため次世代型シミュレーターの採用を警察庁と全国指定自動車教習所連合会に提案、実技教習時限制限緩和を要望中)
▼快適・楽しさの訴求 バイクの楽しさを体感できるイベントを各地で開催
二輪と防災・アニメ・ファッション語る
続いて3部構成によるトークショーが開催された。
第1部では、大型二輪免許を持つモデル・ちぱるさんをMCに、日本大学理工学部教授の関根太郎氏をファシリテーターに、静岡市オフロードバイク隊の安本治之氏、長野県上田市消防団バイク隊の林孝氏と武井元博氏、民間レベルの緊急災害対策チームとして活動するバートインターナショナルの片山敬済代表、神戸学院大学現代社会学部教授の前林清和氏、熊本県山都町役場の田中秀穂氏を迎え、「防災とバイク」をテーマについてトークを展開。
静岡県オフロードバイク隊やバートインターナショナル、熊本県山都町役場からは、今年発生した熊本地震の被災地でのバイクによる支援活動について、上田市消防団のバイク隊からは、緊急走行ができる赤バイを使った火災現場周辺での消防車両誘導や情報伝達活動について、前林教授からは熊本地震被災地での調査や学生とのボランティア活動について説明された。また、関根氏は、ドライブレコーダーを二輪車に装着することで災害時での情報収集に活用できるという考えなどを示した。
第2部では、「バイクアニメ『ばくおん!!』のヒットから今のバイク文化を考える」をテーマに、同アニメの制作委員会メンバーである秋田書店の明治拓生氏、トムスエンタテイメントの岸田琢磨氏、NBCユニバーサルエンターテイメントジャパンの高橋和彰氏によるトークが展開。
トークでは、女子高生とバイクという新しい切り口の原作ができるまでや、アニメ化までの経緯、そしてバイクファンとアニメファンの両方に伝えるために行った二輪車業界とコラボした宣伝活動などを説明。当初30、40歳代からの反響が大きかったものの次第に若い読者が増えてきたこと、そしてそれまでバイクに関心がなかった人からの支持も高まってきたことなどが紹介され、新しいビジネスのあり方を考えさせてくれるような内容となった。
第3部では「スニーカーとバイクファッション」をテーマに、神戸市内に本社がある大手スポーツ用品メーカーのアシックスと全国二輪車用品連合会とのコラボ企画によるトークショーが展開。ちぱるさんがMCを務め、アシックスからは山田勝之氏が、二輪車用品メーカーからはデグナーの嘉山琴子氏、アールエスタイチの栗栖慎太郎氏、クシタニの鷲澤享氏が出席。
トークでは、70年代からのスニーカー、バイク用ウェアのこれまでのデザインや機能などの移り変わりを、それぞれの当時のバイクの歴史や時代背景とともに紹介。また、アシックスとコラボしたライディングシューズや革ジャンなどについても語られた。
閉会式は、自工会二輪車特別委員会(二特)の柳弘之委員長が、来年のBLF開催地である群馬県前橋市の下田昭一観光振興課長が挨拶。最後は全国オートバイ協同組合連合会(AJ)の吉田純一会長の挨拶で締めくくられた。
紙面掲載日:2016年9月30日