当日、ウエルカムプラザ青山では、メリ-・ゴー・ラウンドや観覧車を模したディスプレイにホンダ・コレクションホール所蔵の歴代モンキーが並んだ。モンキーの前身「Z100」が遊具として採用されていた多摩テックをイメージしたもので、展示は8月29日まで継続して行われた。また、またがり可能車両となっていた50周年限定モデル2台は、大人から子どもまで大人気。入れ替わり立ち代わり多くの人が車両にまたがっていた。
一方、メインステージでは、モンキー50周年を祝して「日光さる軍団」から猿まわし師の村崎太郎さんと3頭の猿が登場。ホンダのロゴ入りTシャツを身に着けた猿たちは、〝日光さる軍団!〟と書かれたブロックを回転させて〝モンキー50周年〟のフレーズに変えたりするなど、驚きの芸を披露した。
続いて、元ホンダワークスライダーの宮城光さんがトークショーの司会進行として登場。モンキーを何台も乗り継いできたという宮城さんは、「僕にとってモンキーは、速く走るバイクとはまた違い、すごく地面に近くて、地球の上を一生懸命走ってくれる愛くるしいバイク」と述べた。
トークショーには、本田技術研究所二輪R&Dセンターデザイン開発室から吉村雅晴さん、同OBの小泉一郎さんが登壇。モンキーの開発ではカラーリングを担当してきたという小泉さんは、小さいながら普通のバイクと変わらないところが、50年続くモンキーの人気の秘訣ではないかと分析する。
「オートバイと同じものが、小さな車体に凝縮されている。本物のバイクだなという思いで、僕も、モンキーでツーリングやオフロード走行などをして向き合ってきた」と小泉さん。小泉さんは、これまでに発売されたモンキーのさまざまなボディカラーと時代背景を紹介し、「その時代ごとに、若いデザイナーの感性を大切にして、いろいろ流行を敏感に取り入れてきた」と説明した。
一方、限定モデルなどを中心にLPL(開発責任者)を務めてきた吉村さんは、開発に関わった「モンキーくまモンバージョン」や、50周年限定モデルなどの開発秘話を披露した。「自分たちもモンキーのファンなので、LPLという立場を置いて、自分たちが本当に欲しいものを形にした」と話す吉村さん。「モンキー・50周年アニバーサリー」は、初代モデルと同じ白と赤のカラーリングを採用しただけでなく、ホンダを象徴するウイングマークも、60年代当時の形を再現。さらに、モンキー・50周年スペシャルは、記憶に鮮烈に残っていたメッキ仕様のモンキーをイメージしたという。
吉村さんは、「作り手がいろいろ想いをこめて作ったオートバイを、ファンの皆様が支えて、育ててくださったからこその50年だと思っている」とトークショーを締めくくった。
モンキー・50周年スペシャルの商談権をかけた公開抽選では、発売数の500台に対して、4万5333人もの事前申し込みが殺到し、抽選は、当選番号が入った紙を、箱の中から1枚ずつ選んでいくという形で行われた。約90倍という高倍率ながらも、来場者の中から当選者が出て、当選者は、幸運に喜びが抑えきれない様子だった。
![画像: トークショーの模様。右から吉村さん、小泉さん、宮城さん](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783525/rc/2020/02/12/ef049d76d74bddb3e0d494644813822ef66ae030_xlarge.jpg)
トークショーの模様。右から吉村さん、小泉さん、宮城さん
![画像: メリーゴーランドを模した歴代モンキーの展示などが行われた](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783525/rc/2020/02/12/921d1f4a383fb7ad2b446332945abac7357c5d0f_xlarge.jpg)
メリーゴーランドを模した歴代モンキーの展示などが行われた
紙面掲載日:2017年9月29日