本田技研工業は、1960年代から愛され続けた原付「モンキー」の限定モデル発売を記念して、「発売50周年記念モンキースペシャル・トークショー」を8月26日にウエルカムプラザ青山で開催した。イベントでは、500台限定発売の「モンキー・50周年スペシャル」の公開抽選や、開発関係者のトークショーなどが行われ、会場には多くのファンが足を運んだ。

当日、ウエルカムプラザ青山では、メリ-・ゴー・ラウンドや観覧車を模したディスプレイにホンダ・コレクションホール所蔵の歴代モンキーが並んだ。モンキーの前身「Z100」が遊具として採用されていた多摩テックをイメージしたもので、展示は8月29日まで継続して行われた。また、またがり可能車両となっていた50周年限定モデル2台は、大人から子どもまで大人気。入れ替わり立ち代わり多くの人が車両にまたがっていた。

一方、メインステージでは、モンキー50周年を祝して「日光さる軍団」から猿まわし師の村崎太郎さんと3頭の猿が登場。ホンダのロゴ入りTシャツを身に着けた猿たちは、〝日光さる軍団!〟と書かれたブロックを回転させて〝モンキー50周年〟のフレーズに変えたりするなど、驚きの芸を披露した。

続いて、元ホンダワークスライダーの宮城光さんがトークショーの司会進行として登場。モンキーを何台も乗り継いできたという宮城さんは、「僕にとってモンキーは、速く走るバイクとはまた違い、すごく地面に近くて、地球の上を一生懸命走ってくれる愛くるしいバイク」と述べた。

トークショーには、本田技術研究所二輪R&Dセンターデザイン開発室から吉村雅晴さん、同OBの小泉一郎さんが登壇。モンキーの開発ではカラーリングを担当してきたという小泉さんは、小さいながら普通のバイクと変わらないところが、50年続くモンキーの人気の秘訣ではないかと分析する。

「オートバイと同じものが、小さな車体に凝縮されている。本物のバイクだなという思いで、僕も、モンキーでツーリングやオフロード走行などをして向き合ってきた」と小泉さん。小泉さんは、これまでに発売されたモンキーのさまざまなボディカラーと時代背景を紹介し、「その時代ごとに、若いデザイナーの感性を大切にして、いろいろ流行を敏感に取り入れてきた」と説明した。

一方、限定モデルなどを中心にLPL(開発責任者)を務めてきた吉村さんは、開発に関わった「モンキーくまモンバージョン」や、50周年限定モデルなどの開発秘話を披露した。「自分たちもモンキーのファンなので、LPLという立場を置いて、自分たちが本当に欲しいものを形にした」と話す吉村さん。「モンキー・50周年アニバーサリー」は、初代モデルと同じ白と赤のカラーリングを採用しただけでなく、ホンダを象徴するウイングマークも、60年代当時の形を再現。さらに、モンキー・50周年スペシャルは、記憶に鮮烈に残っていたメッキ仕様のモンキーをイメージしたという。

吉村さんは、「作り手がいろいろ想いをこめて作ったオートバイを、ファンの皆様が支えて、育ててくださったからこその50年だと思っている」とトークショーを締めくくった。

モンキー・50周年スペシャルの商談権をかけた公開抽選では、発売数の500台に対して、4万5333人もの事前申し込みが殺到し、抽選は、当選番号が入った紙を、箱の中から1枚ずつ選んでいくという形で行われた。約90倍という高倍率ながらも、来場者の中から当選者が出て、当選者は、幸運に喜びが抑えきれない様子だった。

画像: トークショーの模様。右から吉村さん、小泉さん、宮城さん

トークショーの模様。右から吉村さん、小泉さん、宮城さん

画像: メリーゴーランドを模した歴代モンキーの展示などが行われた

メリーゴーランドを模した歴代モンキーの展示などが行われた

紙面掲載日:2017年9月29日

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