ダイネーゼでは、レザーウェアのオーダーメイドシステム「カスタム・ワークス」を展開している。カラーやサイズの細かな調整はもちろん、一人ひとりの用途や趣向に合わせて作り上げていくことが可能だ。
今回のキャンペーンはカスタム・ワークスの一環で、ファッションブランドを経てダイネーゼ本社のマスターテーラーとなったファビアーノ・レダエリ氏が、直接採寸を行うというもの。店舗での採寸は常時行っているが、イタリアからスタッフを招聘して実施するのは、約10年ぶりのこと。
ユーロギアの勝川社長は「我々は、モノではなくコトを提供するカスタマー・エクスペリエンスが大事な核になると考えています。レダエリ氏の考えるカスタム・ワークスの世界レベルを少しでも多くのお客様に知っていただこうというのが今回の趣旨です」と話す。
キャンペーンは全国10店舗のうち6カ所のダイネーゼストアで実施され、合計70人が採寸を受けた。また、キャンペーン期間中の成約者にはチェストプロテクターとバックプロテクターがプレゼントされた。
同社では、今後も顧客体験の向上をめざし、可能な限り同様のイベントを開催していく方針だ。
ダイネーゼSPA社MTMマネージャー/ファビアーノ・レダエリ氏
エルメネジルド・ゼニア社で7年、ジョルジオ・アルマーニ社で4年、オートクチュールやメイド・トゥ・メジャーなどの部門で経験を積んできたというレダエリ氏は、約1年前、新しいことに挑戦したいという想いからダイネーゼに入社した。
「それまでは、お客様がどう見えるかという見た目の部分を考えてサービスを提供する面がありましたが、ダイネーゼでは、まず安全性が第一で、速く走れるとか快適性だったりとかを改善できるかというように、視点を変える必要がありました」とレダエリ氏。
レダエリ氏は、ダイネーゼのオーダーメイドを、よりパーソナライズ化したシステムへと改善し、現在のカスタム・ワークスを作り上げた。3D・360度のカラーコンフィグレーターを使用して、ウェブ上で立体的にウェアのデザインをシミュレーションできるようにしたのもそのひとつ。
また、レダエリ氏が訪れた店舗は、この1年でおよそ13カ国・約160店舗。これらの経験を、本社の生産部門にフィードバックし、次の商品開発に活かしていくという。
今後の展望については、「自分としては、機能性や安全性はそのままに、可能であれば、ヘルメットやグローブなどレザー以外の製品にもパーソナリゼーションを拡大していきたいと考えています」と話す。
紙面掲載日:2018年10月12日