ハーレーダビッドソンジャパン(HDJ)は2016年11月、社長にグレッグ・ウィリス氏が就任した。ウィリス社長は英国出身の46歳。1998年にホンダの英国、06年にハーレーダビッドソン(HD)に入社し、英国・アイルランドなどを経て、日本を含むアジアパシフィック(AP)でマーケティングを担当してきた。16年の販売については、成熟市場であり減少する中で満足できる数字と評価。17年では従来方針を継続していく考えで、特に収益性の高いディーラー網の構築に注力する考え。

ウィリス社長は98年に英国にあるホンダモーターヨーロッパ・リミテッドに入社し、コミュニケーションマネージャーとディストリクトマネージャーを8年間勤めた。06年にHDに入社、英国・アイルランドでマーケティング担当責任者を経て、ヨーロッパやアフリカの地域本社の後、AP地域本社のマーケティング担当の責任者を歴任。APではHDJのオペレーション責任者も務めてきた。

16年の販売実績についての詳細なコメントは控えるものの、HDJにとって素晴らしい年であったとし、同社が過去数年間に達成したことに満足しており、今後の日本でのビジネスの進展にも大きな期待を寄せている。一方で、日本は成熟市場で、大型車の販売が年々減少していると分析。すでに確立した市場においては、決して悪い結果ではないと指摘した上で、成熟市場にあるどのような会社でも満足する数字だと強調している。

秋以降の店頭での流通在庫については、17年と16年モデルの両方が展示されることは通常毎年のこととしながらも、ただ慎重に需要に合った在庫管理を行いたいと回答している。他方、顧客アンケートなどのCSI調査、販売データ、アフターサービス関連の各データベースシステムについては、店頭またはメールを通したフォローアップ・サーベイを通して、様々なタッチポイントで顧客がHDとの関係について追跡する顧客体験調査を、日本を含めグローバルで実施しているなどという。

17年は、今後もエキサイティングな製品を顧客に提供できるように、ディーラー網を手厚くサポートし、熱心なハーレーファンが集まる様々な企画やイベントを積極的に展開する方針でいる。またこれまでつくり上げてきた良い流れを継続していく意向。今年以降も掲げてきた目標達成を見込んでおり、特に収益性の高いディーラー網の構築に注力していく考え。

ディーラーに対しては、今の素晴らしい仕事ぶりを今後も引き続き進化させてもらうことを強調。成功には戦略をサポートしてくれるディーラー網の強いコミットメントと収益性が不可欠であり、これを目標として将来も戦っていきたいなどと意向を示している。販売体制では強化として、現在115店あるディーラーに追加する考え。潜在顧客にHDを提供できるように、綿密な市場調査を通して新規にディーラーを設立できる可能性のある場所の特定を行っていると表明している。

製品の訴求では、新型エンジンのミルウォーキーエイト搭載のツーリングモデルをはじめ、排気量が従来より大きい103ciエンジンのダイナファミリー、ABSを含め大幅に改良されたストリート750、高いパフォーマンスパーツを施したSシリーズなどの17年モデルを、多くの既存ユーザーや新規顧客に多面的な活動で訴求。

他方、業界全体での20年までに100万台の販売を目指す活動については、前社長のスチュアート氏の明言として「輸入車のリーダーとして米国本社から米国政府を通じ、日本にある米国大使館と協力して、日本の政府へ規制緩和などの働きかけを行う」と述べたことについて、ウィリス社長は日本での活動について詳しく知る必要があるとして上で、HDは世界中でレジャーやスポーツとしてのモーターサイクルを広める活動をしており「日本でできることがあれば当然行う」にとどめている。ただ、着任早々にJAIA(日本自動車輸入組合)の担当者に会い、組合員として積極的に活動に関わっていくことを伝えたとしている。

画像: ハーレーダビッドソンジャパン グレッグ・ウィリス 社長/販売網の「収益性」注力 店舗拡大、イベント積極展開

紙面掲載日:2017年1月1日

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