今年2月、ドゥカティジャパのトップに就いたマッツ・リンドストレーム社長は着任間もない。だが、1年近く同社のセールス部長を務めてきた。すでにリンドストレーム社長は同社の進路図を描いている模様。本紙では今後いかに舵を取っていくのかを聞いた。

──仕事は1年近く経過。今後リーダーシップをいかに発揮していくのか。
「やはりディーラーやスタッフから、いろいろな意見を聞き、意見の調整や整合性、志を合わせるなどアライアンスを組むことを考えていきたいです。プロジェクトを始める時は『なぜやるのか』、どのようにして『何』をするのかということを、ゴールデンサークルになぞらえ、常に習慣化させることが重要です。最終的にそれはお客様のためにならねばなりません。私たちはバイクを販売していますが、製品だけでなくその回りにあるコンテンツまで、すべてをお客様に提供する『エンターテイメント会社』と考えています。

好きであれば仕事に対する積極性が生まれることは当たり前のことです。大切なことは自然とお客様の声に耳を傾け、何か実行に移す際には、常に『なぜ』『何のために』、その理由を思い返し、それがお客様にとって『どのようなメリットを生むのか』までを考えることです。私が思うのには、スウェーデンも日本も国は違っても、こうしたことは同じだと思います」

──ドゥカティジャパンをどうしていきたいか。
「ディーラーとお客様、私たち三者の距離感を今以上に近付けたいと思っています。これまでディーラーと会って感じたことは、ディーラーとお客様の関係は良好だと感じましたが、ディーラーからお客様の意見を聞くことが少なかったと思います。また、製品ラインアップの観点からすると、ディーラーによってはかなり偏ったラインアップになっていることが見受けられました。裏を返せば、魅力的なラインアップを正しく店頭展示することで、潜在需要の掘り起こしの余地があり、ビジネスの成長の可能性があると考えています。

例えば、スーパーバイクのお客様にも、ディアベルを知り体験して頂くことで、ドゥカティの別の魅力や楽しみを知って頂きたい」

──前社長は店舗当たりの販売台数の増加を目指していた。
「店舗当たりの平均販売台数を伸ばしていくことに変わりはありません。ただし今、具体的に各店舗に対し単に販売台数だけを提示するのではなく、『なぜ』から考えると、各店舗の商圏にどれだけの需要と成長が見込めるのかの理由と説明が必要です。そのためには『どのように』ということが重要となります。さらに今年はパニガーレV4を筆頭に、話題性の高いニューモデルの投入による販売機会の創出も考えられます。

繰り返しになりますが、各店舗の商圏に合わせた適正な台数を見極めていきたいと考えています。ビジネスを成長させるためには新車販売はもとより、中古車の下取りから販売、定期点検やメンテナンスなどの質の高いアフターサービスの提供で、販売店の事業を好循環させることが重要です。それによりお客様のロイヤリティが向上し、さらに来店頻度も高まります。

お客様のニーズから生まれるユーザーとのコミュニケーションや交流も、今まで以上に必要で大切になります。したがって今年はユーザーと接するイベントも積極的に行う予定です。私たち主催のイベントに、お客様に参加して頂くのはもちろん、顧客接点の要でもあるディーラーにも、常にお客様と一緒に参加することで、ユーザーとディーラー、メーカーの三者の距離感を縮め、ロイヤリティの向上と販売機会の創出にも繋げていきたいと思います」

画像: ドゥカティジャパン マッツ・リンドストレーム 社長
/「なぜ・何のため」習慣化が重要

紙面掲載日:2018年4月20日

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