デビッド・リーン監督の映画「アラビアのロレンス」は、第一次世界大戦中にイギリスの陸軍中尉・ロレンスがアラブ諸国の独立のために活躍した様子を描いた名作である。

映画は、ロレンスが愛車「ブラフ・シューペリアSS100」で田舎道を走行中、対面してきた2台の自転車を避けようとして道路外に飛び出し、死亡してしまうショッキングなシーンから始まる。なお、ブラフ・シューペリアは当時、オートバイのロールスロイスと呼ばれていた高級車である。

ロレンスは「自動車は事故を起こすと他人を巻き込んで死なせてしまう。しかし、オートバイは事故で自分が死ぬことはあっても、他人を死なせてしまうことはない。犠牲的精神を発揮するオートバイは騎士道そのものである」と信じて、なによりオートバイを愛していた。そして、不幸にもその通りとなった。享年46。

二輪車新聞 元編集長 小川孝

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