新しい年のスタートです。こんな時代だからこそ原点に立ち返り、ご提案。題して「背中も気分もシャキッと2021」です。

1980年代半ばにアフリカの砂漠で背中にダメージを受けて以降、私は正しい姿勢のあり方を強く深く考え実践するようになって今の乗り方、教え方にたどり着きました。

バイクショップのオーナーや店長だけではなく、若い世代のスタッフにも常に意識し続けていただきたいこと、それがバイクフォームと強く関連した日常業務の姿勢です。

今でもバイクのライディングフォームは猫背が良い、と思う方がいるかもしれませんが、その考えを否定しているのではなく、あくまでも提案です。

バイクは他のスポーツのようには体を動かしていないように見えます。長時間にわたって動きを固定しがちで、筋力負荷も大きいのに、とりあえずだましだまし、スピード感覚を頼りにして走ることができる乗り物でもあります。

仙骨を起こす

正しい姿勢では、内臓を圧迫せずにゆったりとした呼吸&脱力管理ができ、腰椎への荷重集中が避けられ、頚椎の曲がりも自然になり、体幹バランスをしっかり引き出せるため安全・安心・快適で合理的な乗り方につながります。

その最大要点は仙骨を起こすことです。背筋を伸ばすのではなく、骨盤の角度がキモ。ヘソを前に出して胸を張ると横から見て脊椎S字。あとは必要に応じて。例えばバイクのライディングもデスクワークも、体を動かす時の基本は同じなのですから。

上体の前傾角に差をつけるだけで筋力は不要。伝え方次第ではお客様への最大・最高のプレゼントになります。

接客や整備でもそれは同じ。一事が万事です。姿勢は日常生活と非分離の関係にしておきたいものです。

販売店では、バイクの納車までに実に多くの作業を伴うため、ウェア類もついつい汚れがちです。凛とした姿勢と外観をさらに輝かせるために、ショップ代表もスタッフもこざっぱりしたウェアにこだわりたい。

姿勢とウェアは体での表現ですが、言葉も同じくこざっぱり。私はできるだけ鮮明に聞き取っていただけるように、口をちゃんと動かして、わずかに話す速度を落とす努力をしています。今でも不十分ですが、少しでも改善しようと思い続けています。

凛とした姿勢と穏やかで暖かな言葉。そして清潔な身だしなみ。21年が貴店飛躍の年となりますように!

プロフィール

柏秀樹(かしわ・ひでき) 
1954年山口県生まれ。大学院生時に作家の片岡義男と、バイクサウンドをテーマにしたLPを製作。卒業後フリーランスのモータージャーナリストに。各種海外ラリー参戦も含めた経験を活かし、現在「KRS・柏秀樹ライディングスクール」を運営。全国各地で初心者やリターンライダー、二輪車販売店社長・社員の意識・運転技術改善に役立つノウハウ伝授や情報交換をしている。ベストセラーになったライディングDVD他著書多数。

This article is a sponsored article by
''.