MVアグスタ、SWMに加えイタルジェットの総輸入販売元であるMVアグスタジャパンの石井直彦社長は、2020年のMVアグスタ事業では、年前半は新型コロナウイルスの影響で入荷が滞ったものの、秋以降にバックオーダー車両および新商品が入荷したことで、年間計画以上の数字を達成したとしている。大規模なイベント開催は中止した一方、ディーラー店頭で個々のユーザーに対応した試乗会を展開し、新たな手ごたえと成果を得たとする。21年も個別対応の店頭試乗会の充実に注力する考え。イタルジェットも春から夏頃の入荷に期待を寄せている。SWMは主力機種で競争力ある価格設定に打って出る。

220年の販売環境と活動では、MVアグスタは19年からバックオーダーがあった車両の入荷が新型コロナで遅れたが、20年9月以降、限定車のスーパーベローチェ800セリエ・オロおよびスタンダードモデル、限定車ラッシュ1000、各機種のSCS(スマートクラッチシステム)搭載車などが続々入荷。年間の販売を後半で一機に挽回し、年間では計画以上の数字を達成できた。

一方、20年に本格な販売開始を予定していたイタルジェットは、年頭の発表以来、春までに300台以上の予約を受けたが、3月から本国での生産開始がコロナの影響で遅れ入荷も滞った。

ただ、同社にとってコロナの影響は損失要素だけではない。同社の大規模な試乗会や走行会イベントの開催は中止されたが、「密」を避けたユーザーに限定した対応として「パーソナル・テスト・ライド・キャンペーン」(PTRC)と題し、各ディーラー店頭で試乗会を実施、成果を得たとする。PTRC参加者は完全予約制で、通常より試乗時間を長く設け、個別対応のため販売店側も接客および感染対策に十分注意を払うなど、顧客対応の質も向上したとする。

近年、 MVアグスタもブランド知名度が上がったが、店頭での試乗体験が可能なことを認知していないユーザーが少なくないことも店頭キャンペーンから改めて認識。今後は、より店頭へユーザーを呼び込める試乗会の重要性を意識した活動を展開するとしている。

21年は昨年成果を得たことから引き続きPTRCをはじめ、ユーザーへの個別対応を中心に、店頭で内容の充実を図りたい考え。具体的には年前半でスーパーベローチェ800に特化させた試乗イベントを展開。SCS搭載車でも試乗機会の提供をディーラーに推奨していく。

また、従来なかったMVアグスタのポテンシャルを存分に体験できる「テストライドポイント」というディーラー制度を導入し、手始めに東名阪地域に一カ所ずつの設置を目指す。最新モデルラインアップの長時間試乗体験を常に提供できる拠点で、新たな施策として期待を寄せる。

21年のイタルジェットは、本国で第1四半期に生産を開始、日本には春から夏季の入荷を見込んでいる。昨年生産延期された間、並行して車両の機能性向上が図られたことで、当初の入荷予定車以上に質が高められ販売できるという。

SWMは主力の125ccクラシックモデルで、それまでの税抜価格50万円を、30万円台にまで抑えて圧倒的な競争力のある価格設定で販売する計画だ。

石井直彦社長

2021年1月1日発行・二輪車新聞新年特別号「輸入車/2020年実績と21年抱負」掲載

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