川崎重工業はかねてより商品化に向け開発していた新たなパーソナルモビリティ「noslisu」(ノスリス/電動アシスト自転車とフル電動車の2モデル)が完成したとして同車両をこのほど公開した。それに伴い5月12日には、クラウドファンディングサイト(応援支援サービス)によるテスト発売仕様車の先行限定販売を開始。サイトオープンからノスリスへの高い関心と期待により多数の支援購入者が募られ、両モデル(各50台)とも初日早々に完売するなど、広く話題を集めている。

もっと気軽で便利に、そして快適に カワサキが提案する新モビリティ誕生

「多くの人々に向け、安全・快適・気軽に移動できるモビリティを提供することで、より豊かな生活への貢献」をコンセプトに取り組まれている近未来モビリティ『ノスリス』プロジェクトは昨年9月、川崎重工社内公募制度『ビジネスアイデアチャレンジ』の第1号案件に選定。社長直轄プロジェクト本部の一環事業として、ビジネスモデルの仮設構築、検証フェーズからマーケティングなど製品開発とともに、事業本格化に向けて精力的に活動を推進させている。

ノスリスは、公共交通機関でのアクセスが容易ではない地域での移動をはじめ、宅配事業者、高齢者など多様なニーズに応えられるよう、気軽に安心して乗車走行できる自転車のミニベロスタイルをベースに、電動アシスト自転車とフル電動車の各仕様モデルを企画・開発。これまで広く一般に向けたプロモーション活動や展示試乗会、市場調査など様々な取り組みも行い、得られた知見や改良点を製品開発などに活かして、今回の商品発表と先行テスト発売にこぎつけた。

電動アシスト自転車と、フル電動車(要免許)の各モデルを開発・製品化

電動アシスト自転車仕様はモーターが漕ぐ力を補助するため、わずかな力で快適な走行が可能に。
一方、フル電動車仕様はアクセルレバーを指で押すことで、モーター動力により力強い走行が可能となっている(要普通自動車免許)。いずれのモデルも独自開発の前2輪方式による高い安定性と積載能力を実現。環境負荷低減と小型モビリティへの関心や要望が社会的に一層高まる中で、今後さらに製品をブラッシュアップし、カワサキ独自の新たな移動ツールを広く社会に提供していく。

ノスリスの主な特長

▽ペダル操作無しで走行可能なEV仕様と、電動アシスト自転車を設定し、各ニーズに応じた選択が可能▽三輪ならではの安定性と、同社モーターサイクル事業の小型モビリティ開発技術を活かした高い操縦性を実現する独自のリーニング機構により、転倒リスクの低いスムーズな安定走行が可能に。
加えて空車/乗車各状態で自立するため駐車時に車体を立てる操作が不要となる▽フロント2車輪間の低い位置に容量の大きい荷物搭載スペースを確保したことにより荷物搭載後も低重心で安全な走行が可能──などを挙げている。

▼ノスリス/電動アシスト自転車仕様(NB-01)
航続可能距離50㎞▽バッテリー充電時間5時間▽車両重量28㎏▽全長1600㎜・全幅600㎜・全高950㎜▽道路運送車両法上区分=軽車両▽道路交通法上区分=駆動補助付自転車▽ヘルメット・免許不要。

画像: 電動アシスト自転車仕様 ミニベロタイプをベースにし、広く一般に扱える乗りやすさを追求

電動アシスト自転車仕様 ミニベロタイプをベースにし、広く一般に扱える乗りやすさを追求  

画像: 電動アシスト自転車のハンドル部操作周り 前方には荷物バスケットを装備

電動アシスト自転車のハンドル部操作周り 前方には荷物バスケットを装備

画像: 試乗風景(電動アシスト自転車仕様)

試乗風景(電動アシスト自転車仕様)

画像: 3輪により段さや悪路等でも高い走行安定性を発揮(電動アシスト/フル電動両モデルの共通特長)

3輪により段さや悪路等でも高い走行安定性を発揮(電動アシスト/フル電動両モデルの共通特長)

▼ノスリス/フル電動車仕様(NA-01)
航続可能距離65㎞(最高速度時速40㎞)▽バッテリー充電時間7時間▽車両重量31㎏▽全長1750㎜・全幅700㎜・全高1050㎜▽道路運送車両法上区分=第一種原動機付自転車扱いで通称「ミニカー」(水色ナンバー)分類▽道路交通法上区分=普通自動車(定格出力0・2㎾超~0・6㎾以下の原動機を有する普通自動車)▽ヘルメット不要(安全のため着用を推奨)▽普通自動車免許必要。
※なお、各車両ともクロモリフレームとワイヤー式ディスクブレーキを採用。最大積載20㎏まで。車体カラーはオレンジ・イエロー・ホワイトの3種。表記の航続可能距離や最高速度は参考値。

画像: フル電動車仕様 漕がずに快適なモーター走行を実現(荷物バスケットには最大20㎏まで搭載可能)

フル電動車仕様 漕がずに快適なモーター走行を実現(荷物バスケットには最大20㎏まで搭載可能)

画像: モーター動力はハンドル手元のアクセルレバーを指で押し、ON状態で力強い走行が可能に(フル電動車仕様)

モーター動力はハンドル手元のアクセルレバーを指で押し、ON状態で力強い走行が可能に(フル電動車仕様)

画像: フル電動車仕様のハンドル部操作周り 操作/走行状況等を確認可能なディスプレイも装備する

フル電動車仕様のハンドル部操作周り 操作/走行状況等を確認可能なディスプレイも装備する

画像: フル電動車仕様の試乗模様 高い走行操作性とスタイリングも自由な生活を楽しむための新モビリティの特長に

フル電動車仕様の試乗模様 高い走行操作性とスタイリングも自由な生活を楽しむための新モビリティの特長に

クラウドファンディングでの先行テスト発売では即日100台が完売に

今回実施したクラウドファンディングでの先行販売は、ノスリスプロジェクトへのサポーター(製品購入者)とともに、新しい乗り物を創り上げるプロジェクトを趣旨に行われたもの。今後はユーザー使用感等のアンケートも実施するなど、同社のビジネスアイデアチャレンジの理念に則り、マーケットインの発想でニーズを検証しながら、来年度の一般販売を目指している。

販売価格(税込)は電動アシスト自転車27万円、フル電動車32万円。販売車両は自転車専門のプロショップで組み立てされ、完成車両で購入者に届けられるという。車両保証期間1年間。
製造・販売元㈱RE PRODUCTS  PROJECT(神戸市中央区)。

ノスリスを活用した地域連携の社会実装実験もスタート

ノスリスは、兵庫県豊岡市にある芸術文化観光専門職大学RIC(地域リサーチ&イノベーションセンター)の第1号プロジェクトに採択。兵庫県但馬地域で、川崎重工や同大学、地域が共同でノスリスを利用し、移動サービスに関する社会課題解決のための実証実験が来年3月まで行われている。実験内容は、多様な地域において情報発信・生活利用・観光地利用・観光アクティビティなど、各シーンでの有効性や可能性を探るもの。

画像: 商品名のnoslisu(ノスリス)は、ラテン語のNos liberi sumus(私たちは自由だ)を由来にしたという アクティブで快活な乗り物を川崎重工が社会に新提案

商品名のnoslisu(ノスリス)は、ラテン語のNos liberi sumus(私たちは自由だ)を由来にしたという アクティブで快活な乗り物を川崎重工が社会に新提案

ノスリスに関心寄せる事業者や自治体を広く募集中

川崎重工では今後もノスリスプロジェクトを通じて、安全・快適・気軽な移動サービスの社会実装に向けて活動を継続し、一般ユーザーのほか、物流・公共交通機関など法人向けにも展開。単なる製品販売に止まらず、シェアリングサービスやフィンテックの活用なども視野に入れ、広く社会への普及を図っていく。

なお、製品・事業化を含めノスリスプロジェクトにあたっては、川崎重工業・モーターサイクル&エンジンカンパニー技術本部開発部の設計・開発エンジニアらが中心となり業務全般を遂行している。

画像: 機能美に加え、洗練されたスタイリングが街にも映える(画像は電動アシスト自転車タイプ)

機能美に加え、洗練されたスタイリングが街にも映える(画像は電動アシスト自転車タイプ)

画像: 川重が新提案する電動ビークルで、さらに豊かな快活生活を後押し(画像はフル電動車タイプ)

川重が新提案する電動ビークルで、さらに豊かな快活生活を後押し(画像はフル電動車タイプ)

https://noslisu.jp/

This article is a sponsored article by
''.