カナダに本社があるBRPの日本法人・BRPジャパン。普通自動車免許で乗れる大型三輪バイクCan-Amスパイダー/ライカーのほか、水上バイクなどを供給している。

2021年9月より代表に就任したブライアン山本氏は、自身もカナダ出身だ。自社のユニークなラインアップについて「人生を楽しむ商品。自分にとっても毎日新しい発見がある」と語る。

ブライアン山本代表

スパイダー/ライカーのユーザー層は老若男女幅広いが、以前は二輪車に乗っていた人たちが多かったという。「大型二輪に乗っていたけれど、体力的にきつくなってきた」といったことが乗り換えの動機になっていたようだ。

そうしたユーザーが実際にスパイダーやライカーを手に入れると、まず驚くのは疲労度の低さだという。「車体が自立することで、こんなにも疲れないものか」ということで1日に500kmはおろか、1000km走ってしまうユーザーも珍しくないようだ。

一方、近年増えているのが普通自動車免許や普通自動二輪免許しか持っていなかったユーザーだ。大型二輪車に乗ったことがない人が、これまでに味わったことのないようなフィーリングを楽しめることで興味を持ち、実際に乗ってみるとオープンエアの爽快感が病みつきになってしまうのだという。

「二輪車ではタンデムしてくれなかった奥様が、三輪車になると(後ろに)乗ってくれるようになった……という話も聞きます」

直近の登録台数は20年が前年比10%ほど増加。「最も売れる春にまったく入荷できなかったが、よくぞ盛り返した」という状況だったと振り返る。

そして21年は若者や女性ユーザーの購入がさらに増え、前年比10%程度の上昇を見込む(21年11月現在)。大幅な入荷遅れもなく、順調に推移してきた。

「部品調達も製品輸送も、考えうるすべてのルートを洗い出し、知恵を絞って本社が最適化してくれたおかげでもある。認知度が高まっている今、このチャンスを逃さず結果につながっているのはありがたい」

現在のところディーラーは全国23店舗。7割は二輪車との併売店であり、他には三輪車を主とする店舗、ほかのBRPレジャービークルも揃える店舗、あるいは四輪との併売例もあるという。

国産や輸入車、いずれの何にもバッティングしないことが特長で、ディーラーとしてはまったく新しい顧客層をつかむチャンスが得られる。今後2年で30店舗まで増やしたいと考えており、また取り扱いを希望する店舗も増えているという。

「特にコロナ禍になってから増えているのはありがたいことだが、とはいえ安い商材ではないので吟味はさせていただいている。複数ブランドを扱う中で、三輪車両を十分に見られるよう、ある程度の専用スペースを用意していただく必要がある」

エリアとしては特に九州南部、千葉県もしくは東京都東部に販売拠点が欲しい。そしてコロナ禍が落ち着いた暁には全国での試乗会を再開したい。これは教習所などを借り、座学や操作練習を交え2~3時間にわたり商品の魅力を知る有料試乗会だ。料金は5000円で、成約した場合は返金されるという。

「これまでの累計販売台数は約3000台。まだまだ伸びしろはある。販売が好調な北米に続いて日本でもこの試乗会を通じ、我々の商品の魅力を知ってほしい」と山本代表は意気込む。

また、プロモーションも独自のアプローチを展開。広くリーチするよりも深く琴線に触れるように〝知る人ぞ知る〟インフルエンサーに車両貸与し、各自楽しんでいる様子を発信してもらっている。
 バイクタレントの木村亜美氏、インラインスケートの世界王者・安床武士氏、世界的パフォーマー・サカクラカツミ氏、声優・天野亜希子といった面々だ。

「お金を払って有名人を起用する手法とは異なる人選。どうなるか楽しみ」と、山本代表は期待感をにじませる。

2022年1月1日発行・二輪車新聞新年特別号「輸入車/2021年実績と22年抱負」掲載

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