イタリアのアプリリア、ベスパ、モト・グッツィを日本に供給するピアッジオグループジャパン(PGJ)。2021年は3ブランドとも前年より好調なセールスを記録したという。就任3年目のネリ・ミクラウス社長は、成長要因としてプロダクトレンジが増えたことを第一に挙げた。

「ピアッジオグループは、125ccスクーターから1100ccスーパースポーツまで幅広いレンジをカバーする唯一の欧州二輪メーカー。その特長を、ディーラーの皆さまにも実感していただけた1年になったと思う」

特にアプリリアについては新たなクラスとしてRS660とトゥオーノ660を市場投入。同グループ内でこの2台が上位の売れ行きとなった。日本においては先行して発売されたRS660が21年はよく売れたが、22年はトゥオーノ660も伸びるのではないかと見ている。
さらにEICMA2021ミラノ国際モーターサイクルショーでは、アドベンチャーモデルの660トゥアレグを発表。「非常に扱いやすく、足つき性も良いバイク。日本でも22年春に発売できれば」と、ミクラウス社長は期待を寄せる。

画像: アプリリア 660トゥアレグ

アプリリア 660トゥアレグ

さらにアプリリアからは同じくEICMA2021にて、アドベンチャーバイクの影響が色濃いスクーター「SR GT」も発表。これも22年の注目モデルに数えられる。

なお、アプリリアのセールスが対前年比30%増であったのに対し、33%増と、より好調だったのが21年のベスパだ。ベトナムにある生産拠点からの入荷が比較的堅調だったことと、「商品のバックストーリーなど、エモーショナルなところを顧客に伝えることができたことがよかった」と、ミクラウス社長は振り返る。

例えばプリマベーラのピクニックエディション「ベスパピクニック」では、ちょっとしたお出かけの価値を訴求。先着50名の成約者に特製バスケットやブランケットをプレゼントするなどし、新規ユーザーからの支持を得た。

生誕100周年を迎えたモト・グッツィについては、イタリアからの入荷に遅れが生じた。それでも21年の登録台数は前年比15~20%増。バックオーダーを抱えている状況という。

新しくなったV7シリーズ、そして各モデルの100周年記念モデルがけん引役となったようだ。

販売網については現在、アプリリアを取り扱うディーラーが35店舗、ベスパが30店舗、モト・グッツィが34店舗となっている。今後のシナリオとしては「各ディーラーの利益を確保しながら、成績に比例して増やしていく。3ブランドとも取り扱っていただくのが理想的ではあるが、(専売店など)クオリティ―も重要だ」としている。

2022年1月1日発行・二輪車新聞新年特別号「輸入車/2021年実績と22年抱負」掲載

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