埼玉県の川越市に、モトクロスの全日本や地方選手権が開催される人気のコースがある。そこからほど近い場所に店舗を構えているのがモトショップ鷹、ヤマハのオフロードコンペティションモデルの取扱店であり、同社の全日本モトクロス選手権のチームサポートも行っている老舗の販売店でもある。
画像: レンタルでオフへのきっかけ作り
老舗オフロード車専門店が取り組み

モトショップ鷹 代表 髙木雄一氏

画像: 中央が代表の髙木さん。右はスタッフの水村大希さん、左は菅原健太さん

中央が代表の髙木さん。右はスタッフの水村大希さん、左は菅原健太さん

代表の髙木雄一さんは現在42歳の2代目だ。「川越にきて16年ほど経ちます。前はさいたま市で25年営業していました」という髙木さん。当地については川越のオフロードコースに近い所へ店を構えることで、モトクロスを楽しむお客さんには安心して来店をしてもらいたい意図があったという。

モトショップ鷹の大きな特徴が、日本でも数少ないオフロードの競技車を中心とした販売店であること。特にYZシリーズは「年間の販売台数は日本で一番です」といい、専門店として若干数は店頭で展示しているが、毎年新モデルが発表された時点で、予約で埋まってしまいストック車両はほとんどないという。

取り扱っているYZシリーズは、普段から車両開発のメンバーと接する機会も多く、そこで開発者らの“圧倒的な熱量”を感じるという。「やっぱり発動機というだけあってエンジンは感心しますね。あと、車両の開発に誇りを持って仕事をしていると感じます。バイクが好きな人たちの集まりで組織されている印象です。オフロードモデルは北米市場がメインではありますけど、排気量別にモデルを設定して、一昨年にはエンジンを刷新した新型も発売するなど、ちゃんと国内の市場にも目を向けているんですよね」と強調する。

2代目として腕を振るう髙木さんだが、社会人になるまで父親の仕事を手伝ったことはほとんどなかったと述べる。「モトクロスのレースは小さい頃からずっと続けてきたのですが、高校生になってからはレースを辞めて、卒業後もすぐに海外へ留学していました。仕事を始めたのは留学から戻った25歳の時ですね」。

父親からは仕事について話すことはなかったというが、普段から接するうちに父親の年齢を感じてきたこともあり、自然と手伝うようになったとも。

「最初はバイクの売り方も知りませんでした。ずっと競技車をメインに扱っていたこともあり、競技車については楽しみ方や乗り方などテクニックも含めてレクチャーできるのですが、市販車はラインアップやスペックなどほとんど知りませんでした。お客さんも初めて免許を取って買いに来る人やベテランの人もおり、十人十色です。特にスクーターには驚きました。買い物や駅まで出かけたり、スクーターを“普段の足として使う”という考えがなかったので。これまでバイクはサーキットやコースで楽しむものだと思っていましたから、逆にこういう使い方があるんだなと考え方が変わりましたね」と振り返る。

そうして、父親と一緒に15年以上業務に携わるようになり、6年前には2代目として店頭に立つことになったという。ちなみに店名である“モトショップ鷹”の由来について聞くと「父親が『髙木より、鷹の方が格好いいだろう』ということで鷹にしたと聞いています」とのこと。

リアルな口コミでオフ車を借りて楽しむ人が増えた

コロナ禍での業績を聞くと、世の中の流れに左右された期間だったと振り返る。「コロナ禍の最初の頃は、電車通勤の人がスクーター通勤に切り替える人が出始めて、店頭で商材を並べてもすぐに売れるという状況が続いていました。ところがある時から商材の入荷がパタリと止まりました。これは何とかしなければ……と思ったのですが、今度はアウトドアブームが到来して、競技車の方が売れ出したんです。そういう動きがあったから救われましたね」と語る。

コロナ禍以前と比べても業績は著しく伸びたという。ただ、その背景には長年取り組んできたことがあるからだろう。モトショップ鷹独自のシステム“オフロード競技車のレンタル”だ。

「スタートして6年が経ちます。オフロード競技へのハードルを下げて、競技する人たちを増やしていこうと始めました。市販車と比べるとオフ車に乗るのはたやすいものではありません。また、ラインアップも排気量別に豊富にあるので、どれを選んで良いのか分からないと思います。そうした悩みに応えようと始めました。最新ではなく旧モデルを使っていますが、コースで転んでもそんな簡単に壊れるものではないので」と説明する。

画像: YZシリーズは全車種をレンタルで用意

YZシリーズは全車種をレンタルで用意

用意するオフロード機種も排気量50~450ccモデルまで揃えているが、貸し出しは50~250ccのモデルが中心。費用はYZ125だと、12時間で1万4300円となっている。子どもを連れたお父さんが、PW50に乗せてみたいと借りるケースも多いという。

一方、口コミで訪ねてくる人も多いと続ける。「リアルな口コミですね。インターネットではなく人を介した口コミです。友達同士でこれまでオフ車に乗ったことのない人を誘って、ウチでレンタルをしてもらって一緒にコースに出るとか。そういう人たちが増えてきました」と語る。

レンタル車両も川越のオフロードコースへのデリバリーサービスも行っているほか、車両が破損した場合に備えて、事前に費用を支払うと一定金額の部品代を保証する制度も用意している。ちなみに、泥だらけのまま返却してもらってもOKだという。また、車両を購入したお客さんには、店舗の洗車場や整備する場所を無料で貸し出しするサービスも提供している。

車両のメンテサービスは“時間を買う人”に好評

意外な人気メニューだというのが購入者に向けた整備サービスだ。「1回2980円で車両を整備するメンテナンスパックが好評です。実はこのサービス、結構な人気商品です。オフ車のユーザーはメンテの熟練度も高いので、たいていの整備は自分でやる人も多いのですが、今は週末を楽しむスタイルが進んでいるのか、メンテで週末の1日を費やすのは避けたい人が一定数おり、そうしたユーザーには人気ですね」と微笑む。

             購入者に向けたメンテナンスパックも好評

困っているお客さんを助けるのは得意とも話す髙木さん。「競技車の修理で困っている場合は、ウチの得意分野です。大きな修理でも、できるだけ次の週末に走れるように返却します。人手が足りない時には僕もエンジンを組みますが、多い時は週に4基組むときもありますから。最終的に笑って帰ってもらうのが一番」とニンマリ。

ただ、レンタルで認知が高まりオフロード車の需要は増えたが、興味の範囲が広くなったことで、国内の他銘柄や輸入銘柄の車両へ目移りする人も少なくないと打ち明ける。だが、それでも良いと髙木さんはいう。「オフロードの競技人口が増えれば少なからず、後々に影響していって業界が盛り上がっていきますから。それで良いと思っています」と述べる。

話題は最近のオフロードイベントにまで言及。「参加型のレースイベントが人気を呼んでおり、沢山の参加者で賑わっています。1開催で600人くらいが参加していますね。走るのにライセンスも不要で、みんな好きなように走っている。あと、走らせるバイクのジャンルも問わないというのも人気の要因だと思います」と分析する。規模も大きくなったことで、ヤマハも現地で試乗車を用意するなど、きっかけを後押ししてくれているという。

オフロード車のレンタルできっかけ作りを仕掛けるモトショップ鷹。他方では、オフロードイベントが盛り上がりを見せるなど、オフ業界の勢いはしばらく続きそうだ。

画像: 車両のメンテサービスは“時間を買う人”に好評

◆モトショップ鷹 ▽所在地=埼玉県川越市小仙波693-2
▽営業時間=10時~19時
▽定休日=月曜日・第3火曜日
▽☎049・225・9115
https://taka-is-fast.com/

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