グローバルでは2022年に20万台を販売したBMWモトラッド。100周年を迎えた23年は、世界各国のスタッフ4000人以上が独・ベルリン本社に集結し、成長を喜び合う催しもあった。

日本においては過去最高のセールス5866台を記録した21年と異なり、22年は生産面でも物流面でも課題が続出。機会損失が多く、伸び悩む1年となってしまった。しかし23年は11月末時点で対前年比112.1%(日本自動車輸入組合発表)と2ケタ成長を見せている。BMWモトラッド・ジャパンのジェネラルマネージャー(GM)・佐伯 要氏は、12月末の着地予想について数字こそ明言しなかったが、21年の最高記録に「近いところに落ち着くか。シェアはだいぶ回復できそう」との期待を示した。

BMWといえば、近年ではS1000RRなどスーパースポーツが好調。R1250GSやアドベンチャーといった基幹モデル凌ぐ販売台数を誇り、またユーザー層の拡大にも貢献している。

画像: 近年売れ筋のS1000R

近年売れ筋のS1000R

「BMWモトラッドのオーナー様が平均50歳くらい。GSも50代男性がボリュームゾーンであるのに対し、S1000R/RRなどスーパースポーツのオーナー様は幅が広い。平均年齢でいえば45歳前後だが、そこに集中しているのではなく、20代でご購入いただく方も少なくない。中には70代の方も」

四輪車部門から移り、二輪車部門の責任者となって2年になる佐伯氏。ユーザーたちと触れ合うなか、実年齢にとらわれず元気にバイクライフを謳歌する姿に驚かされていると笑みをこぼす。

一方、旗艦モデルであるGSも24年には大きくセールスを伸ばすとみられる。R1200GSが新設計水冷エンジンを得たのが13年。それから約10年を経て、23年11月にR1300GSがデビューしたのだ。先代R1250GSから排気量を上げ、最高出力・最大トルクが増大した一方、車両重量(日本国内国土交通省届出値、燃料100%時)は256㎏から250㎏へと軽量化を実現。BMWモトラッド・ジャパンの技術担当者がドイツ本社に赴き詳細の説明を受けた際、「前モデルと同じ部品がほとんどない」と驚いて帰国してきたという。

ファンの反応も上々だ。価格もスペックも発表されぬうちに従来機種オーナーから何十件もの注文があり、11月初旬にBMWホームページで詳細が発表されるとその数は倍増した。「デビュー前からこの反応。さすがお客様から愛されている商品だな」と、佐伯氏は期待を寄せる。

画像: 23年11月に日本デビューしたR1300GS

23年11月に日本デビューしたR1300GS

またGSやスーパースポーツのみならず、幅広いラインアップで様々なユーザーを獲得しているのもBMWモトラッドの強みだ。24年は「お客様の様々なニーズに合わせた各セグメントの機種」(佐伯氏)が多数モデルチェンジを控えている。R nineTの後を継ぐR12 nineT、F800GS、F900GSなどだ。電動二輪車のCE02も発売を控える。

さらに既存モデルのR1250RSやF900Rなど、日本市場に合わせたスペックと価格を設定し、発表した。「各車スタンダードか、てんこ盛りかという既存のラインアップを見直し、ちょうどいいであろう設定を打ち出した」と、自信を覗かせる佐伯氏。もうひとつ好材料があるという。

「R18もここ数カ月、本当に売れてきた。足掛け2年近く、ディーラー様にもユーザー様にも色々なコミュニケーションをしてきたことが、いよいよ実を結び始めた」

R18シリーズのセールスについては、各国のBMWモトラッドにて強化担当者「ヘリテージマネージャー」を任命。各ディーラーにおいても「R18アンバサダー」を決めてもらい、販促トレーニングを実施した。顧客との対話を重ね、SNSでも発信するなど、草の根的に活動してきた。

「その結果、増車であったり、他セグメントや他ブランドからの乗り換えであったり。多様な方がご購入いただけるようになってきた」

画像: R18シリーズの5番目のモデルとして23年9月に発売されたR18ロクテイン

R18シリーズの5番目のモデルとして23年9月に発売されたR18ロクテイン

商品ラインアップがより充実し、販売力も向上。ディーラー網も23年は60店舗から63店舗に伸長。西日本の強化も進んでいる。これらを背景に、24年は一気に飛躍の年としたい。過去最高の販売台数を更新し、6000台達成を見据える。

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