2019年よりマットモーターサイクルズを、そして翌20年よりロイヤルエンフィールドを取り扱っているピーシーアイ（PCI）。二輪車輸入事業を統括する取締役・高永賢治氏は、両ブランドについて24年も攻勢に出ると語る。
▼ロイヤルエンフィールド（インド、以下RE）
矢継ぎ早にニューモデルを投入し、世界の各市場で好業績を挙げているRE。日本市場においても22年に続き順調に推移。登録台数1300台を超え、23年は微増で着地する見込みだ。
「堅実にディーラーを増やしながら、成長を続けたい」
現在の販売網は40店舗（サブディーラー7店舗含む）。東京都世田谷区、千葉県、沖縄県などに出店し、昨年の30店舗（サブディーラー5店舗含む）から大きく増やしている。
機種別に見ると売れ筋は350ccの機種。「クラシック350」を筆頭に、「メテオ350」「ハンター350」と続く。
加えてクルーザータイプの「スーパーメテオ650」を市場投入し、これも好調。既存機種「コンチネンタルGT650」もLEDヘッドライトや新デザインのスイッチなど採用してリニューアル。650ccエンジン搭載機種の比率が増えてきている。1年前の本紙インタビューでも語っていた通り、650ccクラスのプロモーションを積極的に展開した結果といえよう。
「ハンター350などもまだまだ売っていくが、売上構成で見ると650が10%ほど伸びてきているかなと。売上単価が高くなれば当然、ディーラーにも貢献できる」
650ccモデルを用いて23年は色々とプレゼンス向上を仕掛けてきた。
まずはカスタム。3月の大阪・東京モーターサイクルショーにて、コンチネンタルGT650をベース車両としたAN-BUカスタムモータースとのコラボレーションバイク「ロイヤルエンフィールド・改／KAI」を世界初公開。注目を浴びた。
コンチネンタルGR650をベースとしたカスタム車両「ロイヤルエンフィールド・改／KAI」
そしてこのロイヤルエンフィールド・改／KAIは、12月のHOT RODカスタムショーでも再登板。スーパーメテオ650をベースとし、北米・欧州で発表された「ローランド サンズ デザイン」「デウス エクス マキナ」の2台と共に脚光を浴びた。
スーパーメテオ650をベースとしたカスタム車両「ローランド サンズ デザイン」
スーパーメテオ650をベースとしたカスタム車両「デウス エクス マキナ」
またコンチネンタルGT650を用いたレース車両も活躍した。ライダーにモータージャーナリスト小川 勤氏を起用し、4月にはHSR九州で鉄馬・アイアンACT18クラスに参戦。2位でフィニッシュした。続いて9月には筑波サーキットのクラブマンロードレース・MAX10クラスにも参戦し、優勝を収めている。
コンチネンタルGT650レーサー
REは『モーターサイクリング』というスローガンを掲げるブランド。世界中のオーナーが参加する『ワン・ライド』をはじめとするツーリングイベントも盛り上がりを見せている。その一方で、カスタムやレースという、いわば尖った世界でも独自の存在感を増し、注目を浴びているのである。
そして24年もニューモデル攻勢が続く。350ccではRE伝統の「ブリット」が復活。メテオ350の新色「オーロラ」も出てくる。411ccアドベンチャーモデルのヒマラヤは、水冷452ccエンジンを搭載してモデルチェンジ。
650ccでは、スーパーメテオと同一プラットフォームの兄弟車で、19年にプロトタイプが発表されたSG650（ショットガン650）の市販モデルがいよいよ登場。23年11月にインドで、12月には北米・ＬＡでも市販モデルが発表されており、日本でも発売予定だ。
「24年も楽しみ。向かい風ではあるが最大限ユーザー様を増やしていけるよう努力する。2000台を目指したいところ」
大阪・東京モーターサイクルショーでも規模を拡大して展示予定だ。
▼マットモーターサイクルズ（以下マット／イギリス）
英国のカスタムビルダーが設計し、中国で生産するマットの二輪車。日本では全国29店舗で販売している（このうち16店舗はロイヤルエンフィールドも取り扱う）。
24年のトピックとしては、新たに水冷単気筒250ccエンジンを搭載したニューモデルが登場する。22年のミラノショー（EICMA）でプロトタイプが展示されたもので、日本では「春にお披露目ができれば」と準備している。
春にお披露目とはつまり、マットとしてもモーターサイクルショーに初出展するということだ。
「こちらも攻めていく。モーターサイクルショー会場で、よりたくさんの人たちに見ていただければ。東京・大阪はもちろん、名古屋での出展も考えている」
23年はマット製品を浅草のカフェに展示した
