2024年に創業60周年を迎えたキムコ。日本でも記念キャンペーンを実施し、好評であったとキムコジャパンの統括部長・平井健三氏はいう。年間を通じては国内販売台数こそ前年並みだが、「ほぼ過去最高益は確実」であると11月の段階で断言した。
本記事は2025年1月1日発行の本紙「新年特別号」に掲載したものです。
画像: キムコジャパンの平井統括部長

キムコジャパンの平井統括部長

好業績の要因としては、高価格帯の製品販売に注力したこと、販売店政策を見直したこと、それにコスト削減がある。

まず製品販売だが、主力機種のひとつアローマ150に特別仕様車を加えた。イタリアで人気の「LIKE」をベースに低シート高(760mm)、軽量ボディ(128kg)として支持を得た従来モデル。これにリアキャリアおよびリアボックスを標準装備しながら、価格差わずか1万1000円の税込37万0700円で発売し、順調に売れた。

「足付きの良さと軽さ、クラシックなデザイン」が従来モデルと同様、購入の決め手となっているようで、特別仕様車はより高い実用性とコストパフォーマンスも人気の要因と見られる。リッターバイクやビッグスクーターからの乗り換えも多いという。

画像: アローマにはお得な特別仕様車を設定

アローマにはお得な特別仕様車を設定

スポーツスクーターのキムコKRV180TCSも引き続き好調だ。人気色のひとつ「フラットパープル」が昨年をもって販売終了となったが、国内ユーザーからの熱い要望を受けて日本限定色「ファントムパープル」を設定。小回りを利かせたことが功を奏し、売り上げを押し上げる形になっている。

画像: 特別色を設定したキムコKRV180TCS

特別色を設定したキムコKRV180TCS

好業績へ向けた姿勢は販売店政策にも反映している。しばらく取り引きのなかった販売店とは一旦契約を更新しないこととした。「より意欲的な販売店へとお客様(エンドユーザー)が向かってくださるよう」に促すためだ。さらに24年はコスト削減も進めることで利益を上げたのだという。

ただ、部品供給へのこだわりは捨てていない。東京・大田区のパーツセンターに約7万点を常備。販売店から注文を受けた部品の即日出荷率は90%を超え、もしも在庫がない場合は月3回の航空便で取り寄せる。2週間以上のバックオーダー率は1%未満だ。

「これは以前の輸入元が取り扱っていた機種についても変わらず。部品供給は当社で一番力を入れている点と言っても過言ではない」と、平井氏は胸を張る。既存ユーザー向けのサービスであると共に販売店の利益にも大きく寄与するという。

「補修部品がすぐに揃うキムコ製品なら、中古仕入れでもすぐに商品化できる」という環境を維持する。それが浸透することで、ひいては「オークションの相場が上がり、既存ユーザー様からの買取額も上るのでは。そして高く買い取ってもらえるならば、ユーザー様も乗り換え(買い替え)しやすい」というビジョンがある。

25年の製品ラインアップについてはどうか。まだまだ台湾や欧州を走っているキムコ製品は多様にある。魅力的な原付二種や軽二輪クラスのスクーターを日本市場に投入したいところだが、厳しい円安も鑑み「色々と検討している」ところ。

また25年は宣伝広告費を投じるなど、ユーザーの認知度を高め、販売店への問い合わせや来店を促す施策を充実させたいということだ。

なお同社では四輪バギーの販売も引き続き好調だ。50cc~150ccの小排気量クラスを中心に、バギーアクティビティ施設への導入が進んでいるという。同社調べでは、全国のレジャー施設110カ所のうち、70施設以上が同社製バギーを導入している。この分野でも部品供給体制が武器となっているようだ。

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