この夏、うれしいニュースが飛び込んできました。ホンダが、既に生産を終了している二輪車の純正部品を再び販売するというのです。供給されるのは「NSR250R」と「CB750Four」の2機種、39の部品だけですが、今後の展開に期待できます。

自動車メーカーでも、ホンダは勿論のこと日産、マツダも人気のあるスポーツカーの純正部品の再販を計画、検討しているそうです。人気のある車種に長く乗ってもらうことでブランド力を高めていく狙いでしょう。こうした取り組みを手始めに、大量に生産し、大量に消費することで成長して行く時代から、長く大切に乗ってもらうことで、日本にも二輪車、自動車を文化として醸成してもらいたいものです。

バイクが好きです。乗ることも、整備するのも、磨いて綺麗にするのも好きです。だから、手に入れたバイクは長く乗り続けています。生産を終了してから10年以上も経過すると、純正部品は当然ですが、保守部品すら手に入りにくくなってきます。

今でも新車から大切に乗っている1台に、「ホンダ・リード80SS」があります。今では見かけなくなった空冷2ストローク車で、前輪に油圧式ディスクブレーキを装備するなど当時スポーティなスクーターとして1985年に発売されました。1年後の1986年に購入しましたから、31年間乗り続けています。プロテニスプレーヤーのビョルン・ボルグ選手、歌手の西城秀樹さんがイメージキャラクターに起用されていました。

洗車、ワックスはもちろん、整備は心がけています。通常は4~5年で交換するバッテリーですが、屋内の冷暗な場所に保管しているせいか新車から15年10カ月も使えたのが不思議でした。

その経験をした2年後、バッテリーを充電してもセルスターターが回らなくなり、故障原因を探ってセルスターターリレーを交換しても、セルスターターを分解整備しても直りません。素人ですからセルスターターが原因と思い込み、ディーラーに部品在庫を確認すると、関東地方にあと1個だけならあると聞いて早速注文しました。

新品に交換しましたが、セルスターターは回らず、諦めてその後1年間はキックでエンジンを始動していました。そんなある日、バッテリーに充電器を繋ぎながらセルスターターボタンを押すと、セルスターターが回り、エンジンが始動しました。バッテリーの劣化が原因でした。やはり素人判断の甘さを痛感した次第です。

20年も過ぎると純正部品はほとんど手に入らなくなり、中古部品をインターネットのオークションで探すようになりました。ブレーキローターやウィンカーカバーなどはストック用として落札してあります。

バッテリー劣化体験から数年後、またセルスターターが回らなくなりました。今度は原因を突き止めました。リヤブレーキスイッチに組み込まれたインヒビタースイッチです。誤発進を防ぐためブレーキレバーを握らないとエンジンが始動しない仕組みのスイッチの故障です。既にメーカーには在庫がなく、インターネットのオークションで、リアブレーキレバー回り一式の中古部品を落札し、インヒビタースイッチを取り外して修理することができました。

エンジンを焼付かせないように、添加剤を入れたりしてメインテナンスはこまめにしていますが、あと何年維持できるのでしょうか。

(つづく)

画像: 31年間現役で走り続けている「ホンダ リード80SS」

31年間現役で走り続けている「ホンダ リード80SS」

画像: 赤いブレーキキャリパーは、新車当時のままピカピカ!

赤いブレーキキャリパーは、新車当時のままピカピカ!

二輪車新聞編集委員 怒谷彰久

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