ヤマハファクトリーが4連覇達成、そしてF.C.C. TSR Honda Franceが日本チーム初の世界選手権総合優勝を成し遂げた今年の鈴鹿8耐。台風12号の接近で天候が読めないなか、無事に決勝レースまで行われ、数々の素晴らしいドラマを目にすることができました。
鈴鹿8耐では、毎年、数え切れないほどの周辺イベントが開催され、ステージ前やブースに人だかりができているのを見て「今年も8耐に来たなぁ」という気分になっていたものです。
今年はイベント関連も台風に翻弄され、「GPスクエア」などは、金曜日に出展ブースを撤去。骨組みだけになったブースが並ぶイベントスペースは、いつもの8耐と違う雰囲気で、寂しくもありました。しかし、台風が去った日曜日には朝から設営作業が進められ、設営後にはどんどん人が集まり、活気を取り戻しました。その光景を見て安堵しましたが、改めて、イベントの裏側にある苦労をリアルに感じました。
交通教育センターでのトライアル、エクストリーム、FMXによる「BIKE!LIVE!パフォーマンス」も、やはり日曜日の午後までなかなか行うことができませんでした。雨風が止むのを待ち続け、最後の最後に催行されたときには、中止になった分を取り戻すかのように次々に技が披露されました。パフォーマンスを行うライダー・観客ともに、心折れずに待った甲斐があったと思える瞬間でした。
バイクでの来場者がバイクを停めテント泊もできる「逆バンクde8耐CAMP」では、安全面から、急きょ近隣の中学校などに避難所が確保されていました。
土曜日は、その日の夜に台風が接近するということだったので、さすがにキャンプ場はあまり人がいないだろうと思いながらも見に行くと、のどかにキャンプをする人たちで賑わっていました。
20代くらいの来場者は「初めて来た8耐で台風に遭ってしまったけど、バイクで無事にここまで走って来れたし、すごく記憶に残る8耐になったと思います」と話し、大変な状況をも含めて楽しんでいる様子でした。
私は、思いました。やっぱりバイク乗りは、真性のドM・・・おっと失礼しました・・・心が折れない人たちというわけです。ライダーやチーム、イベント開催に関わる人たち、それから来場者。鈴鹿8耐というのは、そういった心が折れない人たちによって支えられているんだと感じました。
二輪車新聞編集部 記者 坂野亜夢