米ハーレーダビッドソン(HD)社は日本時間の1月20日、世界同時に「2021年モデル」をオンラインによるバーチャルイベントで発表した。映像では新代表のヨッヘン・ツァイツCEO(最高経営責任者)自らが、ライダーや新製品への思いを世界の視聴者に語りかけた。

製品では機種を大幅に集約し、米国ブランドのHDとして、指針や製品開発でもHD本来の原点へ軌道修正した印象を色濃く示した。日本では同日、ハーレーダビッドソンジャパン(HDJ)が21年モデルの販売を開始した。前回の20年モデルは32機種を投入。21年モデルでは25機種と、大幅に数を集約した一方で、機種あたりのカラーリング数を増やした印象だ。

ツァイツCEOは昨年の夏、新たな「5カ年計画〝THE HARD WIRE〟(ハードワイヤー)」を掲げ、業績回復に向けHD本来の強みを活かすことに注力。この一環でHDを象徴する機種への絞り込みや値引きの原資となる販売奨励金の低減などを挙げ、大幅に軌道修正した格好だ。

ハードワイヤー初年度の21年モデルでは、スポーツスターは「アイアン1200」「フォーティーエイト」「アイアン883」の3機種に集約された。同機種ではセキュリティシステムが標準装備され、スポーティな走りを最新のアップグレードで提供するという。

ソフテイル系は10機種で、新型も用意。ツーリング系は6機種とし、このうちカスタムバガーのスタイリングモデル「スペシャル」仕様3モデルを設定した。
メーカー最高のカスタム「CVO」(カスタム・ビークル・オペレーション)の4機種では、カスタムペイントをはじめ、最新の安全技術とHD専用のロックフォード・フォズゲート社製オーディオ(専用設計のスピーカーとアンプ)を初搭載し、二輪車で最高の音響空間を提供する。
3輪トライクは「トライグライド」「フリーウィーラー」の2機種を発表した。

21年モデルの主な注目機種は以下の通り。

■ソフテイル

画像: 新登場の「ストリートボブ114」

新登場の「ストリートボブ114」

画像: クロームを施した「ファットボーイ114」

クロームを施した「ファットボーイ114」

ソフテイル系では、新たに「ストリートボブ114」が新登場。ミルウォーキーエイト114エンジンを搭載し、排気量を拡大。ソフテイルの機種「ファットボーイ114」は、伝統への回帰ともとれるクロームで装いを新たにした。
21年モデルのソフテイル系のフレームは、クラシカルなハードテイルの外観を維持させ、同時に最新のサスペンションに変更。フレームとスイングアームの間に配置されるシングルコイルオーバーショックは、シートの下に設計され、剛性を犠牲にすることなく軽量化を実現したという。
また、リジッドマウントされたミルウォーキーエイトVツインエンジンは、フレーム全体の剛性をさらに高め、力強い加速と高いブレーキ性能も実現。
同エンジンはデュアルカウンターバランサーが装備され、アイドル時の一次振動を抑え快適性を向上させた。4バルブシリンダーヘッド(1ヘッド排気2バルブ、吸気2バルブの計8バルブ)がエンジン内の空気の流れを高め、高出力に貢献し、デュアルスパークプラグが完全燃焼を実現。パワーと効率を最大限に引き出すという。先進のシリンダーヘッドとデュアルノックセンサー、精密冷却により、10.0対1の圧縮比を実現し、力強いトルクと加速を実現している。

■ツーリング

画像: ストリートグライドスペシャル

ストリートグライドスペシャル

画像: ロードキングスペシャル

ロードキングスペシャル

ツーリングファミリーはカスタムバガースタイルを象徴するスペシャル仕様3機種を用意。
「ストリートグライドスペシャル」「ロードグライドスペシャル」「ロードキングスペシャル」で、ツーリングフレームの長距離走行能力と街中での存在感、近年にないカラーリングなど、新たな時代のツーリングモデルを実感させるという。トリムは従来のブラックアウト仕上げに加え、HDを象徴するクローム仕上げも追加。洗浄可能なフィルターエレメントを備えた高性能ベンチレーターエアクリーナーと、新たなエンジンガードも装備した。

■CVO

HD究極のカスタムモデルであるCVOは4車種を投入。特に「CVOロードグライド」「CVOストリートグライド」は、ロックフォード・フォズゲート社製の特製HDオーディオを搭載。高いクリアな高音域、クリーンなミッドレンジ、地面に突き刺さるような低音を提供するという。各スピーカーは、電力を150Wまで処理し定格されており、高速道路の走行時でも驚くほどの音響を提供する設計とした。
さらにハーレーダビッドソンの先進安全技術の「RDRS Safety Enhancements」という、予期せぬ状況や悪路走行時での信頼性を高める技術を採用した。加速や減速、ブレーキング時やコーナー走行時に適切なトラクションに合わせて出力を制御する。同技術は3輪のトライク2機種にも採用した。

「自由を追い求める冒険の手伝い」  ツァイツCEO

画像: 世界中のライダーに向けて語る、ツァイツCEO

世界中のライダーに向けて語る、ツァイツCEO

初の世界同時オンラインでのバーチャル発表では、ツァイツCEOが自ら映像を通して、21年モデルへの思いを視聴者に語りかけた。ツァイツCEOは「ライダー達にとって大切なことに集中してきた。21年モデルは、情熱を傾けた成果」とアピールした。さらに「みなさんの意見に耳を傾け、世界中のライダーのために、100年後の未来においても、魂を解き放ち自由を追い求める冒険のお手伝いを第一に考え、努力を重ねてきた」と述べた。

かつてどこよりも強い二輪車ブランドに育て上げた、元CEOジェフリー・ブルーステイン氏らが重要視していた経営指標「顧客への満足」、「ライダーの夢の実現」などを提唱。表現は異なるもののツァイツCEOの言葉には、姿勢や意味する根源において、ブルーステイン氏に共通するものがうかがえる。

特にツァイツCEOはスピーチの中で「新作として100年以上にわたる、私達の伝統に根差した『The Enthusiast』を使った限定車を販売する」などとも述べ、HDの伝統と基本への原点回帰の姿勢を示したと言えそうだ。さらに映像では、各モデルファミリーを解説し、米国の誇大な大地を舞台にプロモーション。走る喜びの表現を強調するなど、米国製ブランドであることを改めて主張した印象だ。

21年モデルの開発者や設計者、さらにHD創設者の子孫であるビル・ダビッドソン、カレン・ダビッドソンも登場し、視聴者に魅力や特徴を語りかける映像で構成するなど、HDの原点を根差していることが表現された。

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