ドゥカティはロックダウンによる生産停止などに苦しんだ2020年から一転。21年は11月末時点で、2059台を販売、前年比41%増で推移している。日本法人ドゥカティジャパンのマッツ・リンドストレーム社長は「ムルティストラーダV4、モンスターといった新製品が素晴らしく、セールスに貢献。また本社のサポートもあり生産・出荷が順調に進み、納車遅れを極力抑えることができた」と語る。

専用設計のV4エンジンと前方/後方レーダーの搭載で注目を集めたムルティストラーダV4Sについては、リンドストレーム社長自身も頻繁に乗り、楽しんでいるという。

「ワインディングや高速道路はもちろん、市街地でも走りを楽しめることに驚くばかり。パワーだけでなく、ハンドリング、コーナリング、ブレーキングとそれぞれ最高のパフォーマンスを目指すドゥカティの結晶ともいえる1台。アドベンチャーファンならずとも多くの人に乗ってみてほしい。例えばスーパースポーツから『もっと気軽にツーリングを楽しみたい』といって乗り換えるにも最適だろう」

画像: 二輪車では世界初採用となる、前後にレーダーを搭載したムルティストラーダV4S

二輪車では世界初採用となる、前後にレーダーを搭載したムルティストラーダV4S

21年は念願であったドゥカティ・ライディング・エクスペリエンス(DRE)を日本初開催した。まずは公道走行のスキル向上を目指す「ロード・アカデミー」を初夏に開催。秋にはサーキット走行のスキル向上を目指す「レーストラック・アカデミー」が初開催された。

画像: 21年10月29日には参加型イベントのDREレーストラック・アカデミーを初開催。多くのユーザーが参加した

21年10月29日には参加型イベントのDREレーストラック・アカデミーを初開催。多くのユーザーが参加した

ムルティストラーダが活躍する場となる「アドベンチャー・アカデミー」の開催は、オーナー向けの開催だけでなく、購入希望者までを対象にするのかどうかを検討中。「もちろん22年もDREの開催は考えているが、コロナの状況も鑑みつつ決定していくことになる」とのこと。
イベント開催については「いつ・どこで・どのように」と、具体的な発表がまだできない状況だと明かす。

一方、販売網施策についてはディーラーを増やす意向はあるものの、「22年は1~2店舗増」と見通す。現状の42店舗で概ね全国カバーしており、その点では成長を急ぐつもりはなさそうだ。

ただし、さらなる質の向上を目指す。ディーラーサポートとして、本社1階のトレーニングセンターでメカニックトレーニングを実施している。そこでは旧型車両のメンテナンスについてもノウハウの共有がなされているという。「自社施設なので、ソーシャルディスタンスもすべてコントロールできるのがメリット。また、セールストレーニング、ファイナンストレーニングも実施している」

ファイナンストレーニングとは、ローン活用などの知識習得を指す。フォルクスワーゲングループ傘下であるドゥカティでは、その豊富な支払いプランを新規ユーザーに提供できることが強みとなっている。

「今後もディーラーの皆さまと、どのようなサポートが必要なのか話し合いたい。ニーズは地域によっても異なるだろう。一方的にこちらから施策を押し付けるのではなく、相手の意見を聞きながら『何が必要か』を探ることが大事。自社とディーラー、そしてドゥカティスタ(オーナー)皆がウィン・ウィン・ウィンであることを目指すのが私のフィロソフィー(哲学)だ」

また、リンドレーム社長はもっと多くのライダーと対話したいという考えを持っている。従来のドゥカティ・オーナーズ・クラブ(DOC)の活動はサポートしているが、ドゥカティのみならず様々なブランドのオーナーと話がしたいのだという。

「二輪メーカー間のコラボレーションがあってもいいのではないか。4大メーカーと主要な欧米メーカーが揃っている日本でこそ実現可能性があるのでは」と述べる。

画像: マッツ・リンドストレーム社長

マッツ・リンドストレーム社長

2022年1月1日発行・二輪車新聞新年特別号「輸入車/2021年実績と22年抱負」掲載

This article is a sponsored article by
''.