多くのライダーが集まるバイクイベントは、春と秋を中心に全国各地で数多く開催されています。例えば二輪用品店、メーカー、二輪専門誌、歴史的名車のファンクラブなど多岐にわたりますが、主催者は会場を盛り上げるために相当な時間と労力をかけています。

ツーリング形式のイベントの代表格となるSSTR(サンライズ・サンセット・ツーリング・ラリー)が「集まる」ことではつとに有名ですが、近年はオフ系イベントの集まりも勢いがあります。

その勢いに乗じてバイクショップオーナーや店長などが、お客様と一緒にイベントに出かけて顧客サービスに努めているところも少なくありません。

ツーリング経験が少ない初心者の素敵な思い出作りとして「多くのライダーが行ってみたい」ビッグイベントへの参加は、運転にビビって二の足を踏んでいる方へのキッカケ作りに最適かと思います。

バイクとセットで「楽しい」を提供

一方でバイクショップが自らお客様に仕掛けていく集客もあります。昭和の時代はお客様の中でリーダー的な存在がいて、自然発生的にライダーが集まって大きく盛り上がって、というパターンが主流でした。

令和の時代ではバイクショップにたむろするお客様は皆無か、というぐらい。お客様同士がお互いに干渉しない距離感が重要なのでしょう。

適切な距離感を持って、バイク好きとコミュニケーションをとり、一緒にツーリングに出かけるのはやはり定番中の定番で楽しいですよね。

ショップはバイクとセットで「楽しい」を提供するところでもあります。ショップで知り合った気心の知れた人たちと走る楽しさは格別。利害を超えて、上司も部下もないし、取引先でもないし、近所付き合いでもない、実にサバサバしたお付き合いができる最高の関係かもしれません。

しかも見知らぬ人たちがたくさん集まるビッグイベントにはない「落ち着きと温もりのある程よい規模の集まり」になるかもしれません。

さらに、運転に不安な方同士がバイクのレッスンで同じ時間を過ごすのも目的を持った集まりのひとつ。「久々にウチもバイクレッスンをやりたいと思っています」などと付き合いがあるショップさんが「バイクビギナー向けレッスン」の相談を持ちかけてくる事例は不滅です。

お客様の運転スキルアップを通して、仲良くなっていただき、一生のお付き合いや友になるかもしれないという期待が込められています。年齢性別など関係なしの「同期」ならカッコつける必要はなく、ストレスフリーでレッスンできるし、お互いに励ましあえる。

大きなイベントに「集まる」もよし。手作りのイベントを企画して年間計画を出して定期的に「集める」も欠かせないことのようです。

ショップは何かと忙しいでしょうが、アクティブに動いてこそお客様の「笑顔」に出会えるのではないでしょうか。

プロフィール

柏 秀樹(かしわ・ひでき) 
1954年山口県生まれ。大学院生時に作家の片岡義男と、バイクサウンドをテーマにしたLPを製作。卒業後フリーランスのモータージャーナリストに。各種海外ラリー参戦も含めた経験を活かし、現在「KRS・柏秀樹ライディングスクール」を運営。全国各地で初心者やリターンライダー、二輪車販売店社長・社員に、安全意識・運転技術改善に役立つノウハウ伝授をしている。ベストセラーになったライディングDVD他著書多数。

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