2023年上半期を終え、日本二輪車オークション協会加盟14会場の実績を見ると出品台数21万4592台、成約率83.1%。新車・中古車ともに供給不足だった21年や22年より幾分か落札が落ち着いてきた感もある。二輪車オークション大手のビーディーエス(BDS)を率いる徳山勇秀代表取締役CEOも「23年は真価が問われる」と年始から語っていたが、現状をどう見ているだろうか。

画像: 車両の見極め重要な時代
情報フルに活用を
《BDS代表取締役CEO 徳山勇秀氏インタビュー》

──BDS柏の杜会場の定例オークションに注目すると23年1月~6月は出品台数4万8088(前年同期比9%増)、成約率82%(同1.4ポイント上昇)、平均単価36万8119円(同9%増)でした。

徳山勇秀CEO 全体的に見ると今年は出品が増えている一方で、成約が少し鈍っている状況です。昨年、一昨年などは出品する販売店様が少なく、落札する販売店様が多かったのですが、それが今は逆転。成約率が落ち着いてきているなと。21年は通年で成約率85%を超えていたのが、現状は何とか80%台を維持しているところです。

──23年初セリで徳山CEOは「この数年間、二輪車業界には追い風が吹いていたが、本年はこれまでのようにはいかないのでは。業界にとって真価が問われる年」との見方を示しました。上半期を終えて、その通りになっている印象ですか。

徳山CEO はい。昨年までの状況は本当にモノが供給不足で、単価が上がっていきました。一部では新車価格を中古車価格が上回るなど、そこは異常だったと思うのですが、ただ業界全体として『値引きせず売れるようになった』という状況が生まれました。これは良いことであったと捉えています。
BDSとしては(モノ不足で)出品が集まらず苦しい時期ではあったのですが。ただやはり販売店様が潤うことは、共存関係にある私たちにも好ましいので。

──ほぼ何でも強気で売れる状況だったが、変わってきたと。

徳山CEO 「全体として売れる車種と売れない車種の差が大きくなってきているので、少し前のイメージで下取りすると危険かもしれません。商材としてよく見極める方が増えているようです。

──販売店としては高値づかみせぬよう注意ですね。見極めについて、BDSオークション会員店からも相談を受けることもありますか。

徳山CEO そうですね。ご相談もよく受けますが、会員店様にはBDSのオークションシステム『Jupiter』を使って細かく分析されている方も多いです。期間を1カ月単位で絞り込んだり、評価点で絞り込んだり、また型式ごとに絞り込んだり。
例えばCB1300スーパーフォアのようなロングセラーモデルでは、ある型式に絞って1カ月単位で平均落札価格を見ていくと、その車両価格が上昇基調なのか下落基調なのかがわかります。数字に敏感な会員店様はそこを見て「この車両はオークションに出品しよう」「あの車両は在庫にしよう」と判断されているようです。

──下取りした車両をどうするか、といった判断に役立ちそうですね。

徳山CEO また、グループ会社である『BDSオークションサービス』の買取りをご利用いただいている会員店様のなかには、下取りの際、金額のご相談をされる方もいらっしゃいます。

──そうした具体的な相談もできるのですか。

徳山CEO ええ、承っています。「この車両は幾らくらいで取ればいいか」といったご質問に対して、情報をお伝えすることは多いです。お電話いただいたり、あとはLINEで写真を送っていただいたり。そうしたご質問に対応し、会員店様がリスクを抑えて下取りできるようサポートする。これもBDSグループとして提供するサービスの一環です。

──下取りする上で、ますます情報が生命線になってきそうですね。

徳山CEO 現在は人気車種であっても適正価格で下取りできるチャンスと見ることもできます。少し前なら60万~70万円で下取りされるとユーザー様が期待する車種であっても、現在は50万円が適正価格になっている場合もあります。しっかり根拠ある価格を提示し、納得いただいた上で下取りできることが大事でしょう。

──そこなのですが、根拠ある価格を提示するには時間を要する場合もあるのでは。とはいえ、やはりお待たせせず料金を提示しないと機会損失してしまうでしょうか。

徳山CEO お店によっては一旦車両をお預かりして、翌日に料金提示というケースもあります。もちろん早く提示できるならば、それに越したことはないでしょうけれど。ちなみにBDSオークションサービスの相談窓口は土日でも稼働しております。

──心強いですね。やはりユーザーとしては土日・祝日に見積もり依頼したいでしょう。中には「何軒か回ってもいい」という方もおられるでしょうし。

徳山CEO そうですね。どこへ持ち込んでも同じような下取り価格であれば納得いただけるでしょうけれど、その前に適正な価格を丁寧に説明することができれば。

──なるほど、機会損失を回避できる可能性が高まりますね。最後に開設後1年が経過したBDSバイクセンサーについて伺います。車両とパーツ合わせて掲載数4万件を超えました(インタビューした6月現在)。

徳山CEO だいぶ認知が進んできました。「店頭在庫のある中古車」だけが掲載されているため、実用性が高いとユーザー様(買い手)にも実感していただけているのではないでしょうか。

──今すぐ購入できる車両だけが載っている。

徳山CEO はい。販売店様にはパーツも無料で掲載できること、動画も無料で掲載できること、オークションでの評価点を引き継げることなどがご支持いただけています。中古車販売が厳しくなってきた中で、ぜひ露出にお役立ていただければと考えております。私どもも引き続き改善を進めてまいります。   

This article is a sponsored article by
''.