同大会は、サービススタッフのさらなる技術向上と相互交流を目的に開催したもので、全世界のサービススタッフの中から、各国や地域の現地法人販売会社が開催した大会を勝ち抜いた23人が代表として日本に集結した。
参加したのは、アルゼンチン、ベルギー、ブラジル、中国、インドネシア、日本、メキシコ、オランダ、カタール、台湾、タイ、イギリス、ベトナムの13の国と地域から集まった。
競技は、知識競技(機構、整備知識)、単品競技(分解・組立、計測、調整)、実車競技(車両の診断・修理・完成検査)の3種目で行われ、サービススタッフとして必要な正しい知識・技術・工程による、二輪車の点検・診断・修理における確実性、速さを競った。
エンジンの始動不良の原因究明やシリンダーのボア計測、バルブシール交換、ドライブチェーンのかしめ、ウィンカ回路の接続、リアドラムブレーキカムの清掃などで競技した。
競技で用いられる車両は、排気量別に250cc未満(コミューターカテゴリー:スーパーカブ110)と250cc以上(ファンカテゴリー:CB650R)の2部門に分かれ、3種目の総合得点により、ホンダ二輪整備士の頂点を決めた。
会場となった埼玉県ふじみ野市にある学校法人ホンダ学園ホンダテクニカルカレッジ関東には、選手のほか、所属する各国の販売店スタッフなど多数が訪れ、競技を見守りながら選手を応援、課題をクリアするごとに拍手を送った。
開催にあたり高橋浩治大会実行委員長(本田技研工業(株)二輪事業部統括部サービス部長)があいさつ。「皆様、ようこそ日本へ。多くの皆様のご支援がありこの日を迎えました。ホンダの二輪ビジネスは世界130カ国以上で展開され、8万9000人のテクニシャンが車両の整備を行っています。各国での厳しい予選大会を勝ち抜き、今日この場所にいる、選ばれし23名のテクニシャンの皆様へ最大限の賛辞を贈ります」
「現場の皆様の日々の努力こそがホンダのお客様を繋ぎ、ホンダファンの拡大に貢献しています。皆様の多大なる献身に感謝します。今日のコンテストに参加した皆様は、そんなテクニシャンの中でも特に熟達した腕の持ち主です。どうか今大会では最大限の力を発揮し、学びを深め、自国のサービスの更なる発展に臨んでほしい」旨を述べた。
◆受賞者のコメント
▼コミューターカテゴリー1位のマス・ムゥディン選手(インドネシア)
「優勝した時は、非常に美しい瞬間だと感じた。自分が優勝出来るとは思っていてなかった。次回のこ大会にもぜひ参加したいと考えている。優勝要因は、とにかく練習を重ねてきた。理論、実務の両方の領域で学んできたが、スポーツのように体力面の強化も欠かさなかった。様々な面の練習を行ってきたことが優勝に繋がった」
▼ファンカテゴリー1位のウ・チュウン・イー選手(台湾)
「優勝して、まずは率直に嬉しかった。今まで努力を続けてきたが、これからももっと自分の技術を磨き、仕事に活かして行きたい。優勝要因は、実は自分の強みを自身ではハッキリと認識出来ていない。今大会の参加者の皆さんの技術力の高さを見て、自分が優勝できた事に自分自身が驚いている」