二輪車オークションをはじめ、販売店への包括的なサービスを提供する同グループ。運送についても運送取扱会社ビーエーエス、実運送を担う新日本運輸サービスの2社が担い、物流一体型モデルを展開している。
「お客様の大切なバイクを、最も丁寧に安全に届けるためには、自ら輸送を担うことが最も信頼できる手段である」
そうした考えに基づき、輸送力の強化に取り組んできた。日野自動車製の10tトラックを導入したのは今回が初めてのことだ。その決め手は「エンジンへの信頼性」であったと、同グループの創業者・中山武司氏は語る。日本の道路環境において中古二輪車を運び続けるには、エンジンまわりのメンテナンス費も莫大にかかる。それを抑える効果を期待し、日野自動車を選んだという。
納車式でお披露目となったのは、そんな日野自動車製の2号車と3号車。先んじて導入した1号車は既に稼働中とのことだ。

新規導入した日野自動車の10tトラック。納車式で2号車と3号車がお披露目となった
いわゆる2024年問題により物流・運送業界ではリソース不足が深刻化している。加えて大型トラックも納車に3年~5年待ち。二輪車を運搬するための架装も約2年待ちにもなるといった状況。そんな中でも日野自動車および架装を担う浜名ワークスの尽力により、スムーズな納車が実現したという。
現車を見ると、荷台には「選べる、見つかる。」のキャッチコピーと共にBDSバイクセンサーのロゴとQRコードが。そしてピンストライパー・ビートン氏による6コマの画が大きくあしらわれている。
まず車両左側には、(1)二輪販売店店主がBDSオークション(柏の杜会場)に出品(2)オークション会場では国家資格を持った整備士がしっかり検品(3)BDSオークション会場でセリにかかる様子が描かれている。

荷台左側に前半3コマが描かれた。BDSオークションに出品された二輪車が、検品を経てセリにかけられる様子
そして車両右側に描かれているのは、(4)オークションで成約した車両がBDSバイクセンサー加盟店に届く様子(5)店主と顧客=ライダーが歓喜に湧く様子(6)ライダーが販売店を後に走り去る様子だ。

荷台右側には後半3コマが描かれている。オーディションで落札した車両がユーザーの手に渡るまでだ
1コマずつ丹精込めて描かれた原稿を拡大し、ストーリー仕立てに配したラッピングトラック。表現しているのは、「リアルオークションがもたらす三つのギャランティ(保証)」であると中山氏は説く。リアルオークションは第一に品質が保証されていること、第二に支払いが保証されていること、そして第三として商品がきちんと全国に届くこと。そうした営みを伝えながら、BDSグループの新型10tトラックは各地を走る。

あいさつする中山氏
式辞において中山氏は、こうも述べた。
「私たちにとって宝であるトラックの無事運航を祈念し、日本宗教連盟理事である宍野史生様にお祓いをお願いする」

宍野氏らによる祈祷を見守る、日本二輪車文化協会の吉田会長(写真右端)と福井二朗顧問(右から2人目)
梅雨入り発表から3日目ながら、青空が覗いたこの日。晴れやかに、かつ厳かに納車式が進行する。その様子を飯島広光氏(BE COOL)、原美光氏(原サイクル)、吉田純一氏(日本二輪車文化協会)ら、各地から駆け付けた参加者が見届けた。

中古二輪車をしっかり積載した新型トラック