ドゥカティジャパンの加藤稔社長は15年の市場について、東京モーターサイクルショーなどでの来場者が多かった半面、市場全体の販売が振るわなかった。ドゥカティの販売では14年を超え高実績を上げたという。16年では新型車の発売時期を例年の初夏から前倒しし、春先早々より順次発売。春の需要を確実に取り込む狙い。訴求活動では提携したスタイリッシュな世界観を持つイタリアインディペンデント社などとの共同展開や各エリアでの商談イベント開催を増やすほか、製品投入と販促活動を連動させ、さらに数段の成長を狙う。

15年は東京モーターサイクルショーなどの来場者が増え、ユーザーの反響や各メーカーからの新製品投入もあった中で、市場全体での販売はマイナスとなった。こうした状況で新ブランドのスクランブラーを発売、積極的に異業種との提携やイベントで訴求し販売で上積み。この結果、年間の販売は前年実績を大幅に上回ったと見込む。

例年、初夏以降に新型車を発売していたが、16年は前年に本社の発表と同時進行させ発売を初夏から前倒しして、2月より新型車を続々投入する。新型車投入の前倒しは、本社の長期計画の下、16年から投入する新型車のすべてが、PHP(輸入自動車特別取扱制度)による少数輸入自動車となるため合理化された認証手続きにより、大幅に入荷期間の短縮が可能になったことから実現。さらに新製品は排ガス規制ユーロ4に適合した魅力あるフルパワーモデルを販売する。

新型車は2月上旬に400ccの「スクランブラーSixty2」と、イタリアインディペンデント社との共同製品「ドゥカティスクランブラーイタリアインディペンデント」ローンチイベントを開催。イベントでは一般誌へ広くPRを狙う。「ムルティストラーダ1200パイクスピーク」「959パニガーレ」や「ハイパーモタード939」「モンスター1200R」「ムルティストラーダ1200エンデューロ」、初夏にドゥカティ初のクルーザー「Xディアベル」を投入。

また、ユーザーや販売網の意識を高めるため、イタリアで開催される大イベント「WDW」へ顧客や販売店を誘うほか、日本でのモーターサイクルショーに合わせた催しで、スクランブラーの世界観を訴求するイベントを充実させ開催。他方、同社ではコラボレーションということばをタンデムと表現し、一般に向けタンデムの楽しさをPRする。

さらに直接的に販売に繋ぐ新たな施策では、販売店の各地域で商談を中心としたイベント開催を増やす。また、販売店と地域の教習所との提携を進め、同時にユーザー向けに免許取得費用支援の施策で新規ユーザーの獲得を図る。TVや映画などと提携し新製品の露出も行っていく。

こうした多種多彩な訴求活動、足元での新規ユーザー獲得などで、今年の販売は輸入車販売の壁である大台を超え、3000台後半まで伸ばしたい考え。また現在、約60店ある販売網は、拠点拡大よりも一店当たりの販売、収益を高めていく。計画台数に対し店舗当たりの収益増加では、各販売網でこれまでよりも 一段上の販売体制の構築がポイントとしている。

画像: ドゥカティジャパン 加藤稔社長/新型車の発売を前倒し 春に確実取込み 店舗収益拡大へ

紙面掲載日:2016年1月1日

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