ファーストエイドチームの車両は側車付き二輪自動車
配備されている車両は道路運送車両法で「側車付き二輪自動車」と区分されているEVトライクで前一輪、後二輪の後輪駆動となる。ベース車両は富山県に本社を置く四輪メーカーの光岡製。パトランプや消防・救急装備(以下・資器材)などの取り付けは消防車両の製作を担う神奈川県に本社のある飛鳥特装が請け負っている。
車体前面が乗員のスペースで、後方が資器材を収納する荷室スペースとなる
収納スペースは運転席/助手席側それぞれに扉が付いている
一眼のヘッドライトがなんとも愛らしいスタイルで、前面のスクリーンにはワイパーを装備。間欠の作動時間は調整できないが、ウォッシャー機能も備わる
〇全長(約):2440×全幅:1080×全高:1940mm〇ホイールベース:1610mm
〇最小回転半径:2.3m〇乗車定員:2名〇車両総重量:約640㎏
〇最大積載量:100㎏〇モーター定格出力:3.0kw
〇バッテリー(リチウムイオン)容量:4.3kw
〇航続距離:約60㎞(標準車両)
〇満充電時間:約6時間

ファーストエイドチームには2台が配備されており、それぞれ搭載する装備(以下・資器材)が異なっている。写真の1号車(手前)には、助手席外側に消防用の資器材を搭載していることで区別が付く。取り付けられているのは「スピンドルハンドル」と呼ばれており、火災現場近くの消火栓の元栓を開放するための装備となっている。

1号車は消防用の資器材を搭載
1号車の助手席側収納庫には上段からヘッドライトの予備や、工具などを収納。2段目には20mホースが3本整理して収められており、3段目にはスタンドパイプと呼ばれる、消火栓と連結するための自立式のパイプが収納されている。
運転席側の収納庫には上下の防火衣が隊員分収納されている。火災出動の場合は現場にて着替える場合がある。“収納するのではなく、防火衣でそのまま出動すれば良いのでは?” と思われるかもしれないだろう。実際、他の消防車両に登場する隊員たちは防火衣で出動しているのだが、ファーストエイドチームだけは出動装備が異なるのだ。理由は別途解説する。
収納庫は機能的にレイアウトされており収納されているときは動かないように、取り出して使用するときは素早く取り出せるように使い勝手を工夫している。
運転席側の収納庫には上下の防火衣が隊員分収納されている。上段にはズボン、下段にはジャケットとヘルメットが収められている。
2号車は救助用の資器材を搭載
2号車は主に救助用の資器材を搭載。助手席側の2段目右側には防水シートを収納しているが、集合住宅での浸水防止や傷病者を搬送するときのプライバシーを確保するときにも使う。運転席側は持ち運び用のパトランプや現場の交通整理などを行う誘導棒などもある。運転席側は上段から車両の充電コード、医療用マスクに手袋など。2段目にはPAバッグと呼ばれる、救急用の資器材のほかAED(自動体外式除細動器)や酸欠空気危険性ガス測定器が収まる。
助手席側収納庫には救助用の資器材があり、上段には救助用ロープと吊り下げに使う滑車のほか、2段目には防水シートやガソリン・オイルが漏れたときの処理に使う吸着剤を収納。
2段目左の黒いカバンは調査バッグで火災現場の現場検証などで使うカメラや書類などが入っている。最下段は救助工作に使うバールやワイヤーカッターなどだ。
運転席側の収納庫にはPAバッグと呼ばれる救急用の資器材のほか、AEDに酸欠空気危険性ガス測定器が収まる。
写真が酸欠空気危険性ガス測定器。水素や一酸化炭素など危険性のある気体を高度に検出する消防ならではの装備だ