インディアンモーターサイクル(インディアンM)を扱う米国ポラリス社(米ポラリス)の日本法人ポラリスジャパンの2020年は、コロナに加え体制面の問題もあり、厳しい1年だったと振り返る。同社の設立より従事する藤原裕史セールス・マーケティング・ディレクターが取材に応じた。20年はコロナ渦などで問題はあったが、インディアンMの販売は約倍増し販売網も拡大。販売体制の基礎ができつつあるとする。21年もブランド認知向上、顧客体験の強化、販売店の収益重視の基本方針を継続、空白地域への販売拠点の開設に重点に置くなどとしている。

19年10月の業務開始から年間を通した活動の初年度となった20年の同社では、コロナ感染拡大の市場環境に加え、インディアンMの訴求の上で重要視していた各モーターサイクルショーの中止やイベント自粛など、影響は大きかったとする。

しかし、S×S、ATVやスノーモービルなどのオフロード車両分野では世界最大手メーカーである米ポラリスは、米国などの生産工場はコロナ禍でも稼働、インディアンMの日本への供給にほぼ問題なかったという。

同社では活動方針に、インディアンMブランドの「認知拡大」「お客様体験の強化」「販売網の収益拡大」を挙げ、方針の達成に向け販売網の拡大と販売店による活動、結果としての販売台数の拡大に取り組んできた。20年の販売台数は前年比で倍増。試乗機会の提供などの訴求活動が予定通り進めば、もう少し勢いに乗れたとしている。

販売網は16から19拠点に拡大。値引きにつながるパーツの進呈などのキャンペーン展開は一切行っていない。価格ではなく価値で売る方針を理解し、取り扱いに賛同する販売店も増えてきたとする。同社は製品力に頼った販売だけでなく、購入してもらえる体制や環境づくりなど輸入元としての本来の活動で勝負していく考えだ。

訴求イベントの開催自粛が影響した面はあるが、全店で試乗車を用意し、店頭でも試乗機会を提供し、時間をかけて価値を訴求する活動が販売に繋がった。20年は業務や21年に向けての基礎ができつつあるとした。

21年も基本的な方針は変えず、顧客サービス充実の観点から空白地域の販売拠点開設に向けた取り組みを重点課題に挙げる。販売店の規模にもよるが、基本はあくまで初期投資は低く、収益を上げられる体制を構築後に段階的に成長してもらう方針だ。販売店の収益強化の支援として同社では支払いサイト最大180日などのファイナンスプログラムの用意もある。

同社の強みは、すでに顧客の車両データを集積するシステムを保有。顧客の走行や修理、整備履歴などの情報を全販売店が情報共有でき、全国統一の充実した顧客サービスが提供できること。安心して安全に製品を楽しんでもらえる体制で、将来の販売店収益強化も高められると考える。

将来的な取り組みや課題では、顧客データはようやく揃ってきたが、プロファイル調査・分析・活用は今後の課題に挙げる。全世界で展開するオーナー組織の「インディアンMライダーズ グループ」(IMRG)の日本での開設など、ユーザーに提供していく各種サービスはまだまだ数多くあるとし、同社の計画の深さをにじませる。

製品では、昨年に続き販売が伸びているスカウトシリーズを一層強化する一方で、20年にキング・オブ・ザ・バガーの称号を獲得したチャレンジャーなどのヘビーウェイトモデルもブランドリーダーとして積極的に強調する考え。同種のアメリカンツアラーにも共有される製品づくりの思想や高い質感、特に走行安定性の高さなどは、米国でのレースでの圧勝が実証するその高い技術力に裏打ちされると強調。世界最速で成長を続けるプレミアムモーターサイクルブランドとして、さらなる進化、ラインアップの強化に取り組むとする。

活動面ではコロナ感染防止策は十二分に講じながら、全国規模、販売店単位でのイベント開催など、顧客の楽しみを支援する企画の提供を計画。

藤原裕史セールス・マーケティング・ディレクター

2021年1月1日発行・二輪車新聞新年特別号「輸入車/2020年実績と21年抱負」掲載

This article is a sponsored article by
''.