ビモータやドゥカティなどのカスタムで名を馳せるモトコルセが、新規事業に取り組んでいる。「中古車の購入を目的としたお客様と中古車が主役」の中古車専売店と打ち出し、1月15日にオープンさせたボルゴパニガーレだ。中古車が主役と強調する真意は何か。そして2006年から輸入代理店として取り扱ってきたビモータを、今後は一ディーラーとして販売する。その意気込みも会長の近藤伸氏に聞いた。

"BORGO PANIGALE”誕生

神奈川県厚木市にある本店モトコルセ・ムゼオ。その一角にドゥカティを主とした中古車専売店「ボルゴパニガーレ」が誕生した。黒く光る床面に赤い車体が居並ぶ。真っ白な壁面も光沢あるもので、真紅の"BORGO PANIGALE”ロゴが鮮やかに映える。中古車を求めるユーザーにも気分よく来店して欲しいという近藤会長の思いが表現されているのだ。

画像: ドゥカティの中古車が並ぶボルゴパニガーレ店内

ドゥカティの中古車が並ぶボルゴパニガーレ店内

「例えばウェブサイトで目に留まった中古車を見ようと来店された方が、新車が前面に並ぶ中で『中古車を見に来た』とは言うのは少し居心地が悪そうで」

それを変えたいのだと説く。店舗の2階や奥の方で窮屈そうに並んだイメージの中古車ではなく、高品質な中古車をマーケットに広めたい。ドゥカティというブランドの看板を背負ったディーラーとして、気分よく購入でき、アフターサービスもしっかりした中古車を提供したいと。

車両を扱うのは、ドゥカティのサービストレーニング課程を修了したメカニック。彼らが車種毎のデータに基づき診断機(テスター)を用いて、つまり新車と同じ環境で整備を施す。正規ディーラーであるため、パーツ供給も万全。走行距離を問わず最低15カ月間の保証と1年間のロードサービスも付ける。

「新車を購入されたお客様と同様、サーキットイベントやツーリングにもお誘いします」
例えば300万円の新車には手が届かなくとも、200万円で程度の良い中古車が手に入るなら現実味が増す。そうしたユーザーも少なからずいると見ている。

「そして中古車がきっかけでモトコルセのお客様になられた方が、いずれ新車に乗り換える可能性もあるでしょう」

その際、モトコルセに下取り依頼してくれるならば、高く買い取ることもできよう。そうなれば、また高品質な中古車として販売できる。こうした好循環を生み出したい。

「純正品質の中古車を市場に広めたい」と語る近藤会長

一方、カワサキプラザ店以外の唯一ビモータ販売店としては、どのようなビジョンを持っているだろうか。

「メーカーとしてブランディングを進めるには、少なくとも5モデルは必要でしょう。ラインアップが揃えばマーケットでの存在感も増し、売上のボリュームも増えますので、販売店の士気も上がります。またカワサキ傘下となったことでホモロゲーション取得済のエンジンやマフラー、ECU、ダッシュ、灯火類などの供給を受けられます。それにより開発におけるコスト低減や期間短縮が進むでしょう。新型車開発に専念すれば、ビモータらしいモデルをマーケットに投入できます。これ、重要です。現在の生産拠点ならば、年間1500台は可能だと思います。モデルラインアップとカワサキの販売網により、お客様にビモータというブランドの価値、面白さ、喜び、そして安心を感じてもらえる環境が整えばと期待しています」

94年から長くビモータを取り扱い、06年から昨年まではインポーターとして深く付き合ってきた。それはひとえにビモータが好きだから。その魅力を今後もしっかりと広めていきたい。世界限定500台、日本市場には200台が導入される最新モデルKB4については「ハンドリングマシンと称賛されたDB1のマルチエンジン版として開発されたバイク。非常に楽しみですね。我々としては20台を販売したい」と語る。限定250台のTESI H2を25台販売した実績を誇るモトコルセなら、実現可能性は十分にある。

そして3月に開催される第49回東京モーターサイクルショーには、伊ヴァイルスの輸入代理店として「エイリアン988」を世界初公開する予定だ。「これはもうプロダクトでなく、アート」と近藤会長。税込2288万円と高価ながら、限定20台中3台を売約済み。確保した残り1台も商談中という。この「アート」を予定通り披露すべく、現在、準備を進めている。

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