ドゥカティジャパンのマッツ・リンドストレーム社長は、2020年は新型コロナの影響で新型車の入荷遅れの一方、コロナ感染予防対策を早期から積極的に展開、安心して顧客が来店できる対策を講じ、新型車の展示ツアーを主要店舗で実施。導入したCRMシステムは販売店での活用が予想以上に進み、効果を上げた。こうした活動で上期の減少を下期で挽回し、年間では前年並みの販売台数を確保したとする。21年はコロナや市場、ユーザーの動向を検証しながら、昨年の反省や経験を踏まえ、活動の改善と充実を図る考え。新型車の投入、各活動での深化で販売拡大への期待は大きい。◇

同社は、コロナの影響で20年では市場に対して計画変更を余儀なくされた。伊本社で3月末からのロックダウンにより工場を約7週間停止。その影響で5月より発売開始予定の新型車の入荷が大きくずれ込み、上期の計画を大きく変更。しかし、総体的に年間販売では、下期から計画を大幅に超え通年では前年並みの販売台数を確保したという。

本社のコロナ対策は顧客への影響を最小限にとどめ、補修部品などの供給は車両の生産停止の期間にも継続した。日本では各モーターサイクルショーが中止となり、新型車の公開の場を失った。同時にユーザーへの大掛かりな体験試乗会も中止。こうした中、全世界で「ドゥカティ・ケアーセーフティ・ファースト」プログラムが策定され、全店舗でコロナ対策を実施、安心して来店できる環境を確保した。

訴求活動では本社制作のPR素材を日本用に再編集し、SNSや店頭で有効活用。さらに製品の詳細動画を新たに制作。店頭とSNSで公開、ユーザーに製品の認知を図ったとする。

一方、モーターサイクルショーで公開用に準備をしていた新型ストリートファイターを、各媒体にPR用に貸出したほか、各店頭で披露するツアーを展開しユーザーに直接見てもらう機会を設けた。

他方、兼ねてより導入予定のCRMシステムを3月より販売店で稼働。販売店ではコロナ禍で販売への影響を懸念したことで、CRMシステムへの活用が高まり、情報を活用した販売活動が予想以上に浸透したという。

同システムで新規見込み客の接触や試乗、見積り依頼など商談を含む販売までの顧客状況を一元管理。顧客情報を店舗スタッフ全員でタイムリーに共有し、細やかな顧客体験の提供が可能になり成果を上げたという。販売店会議やセールス、アフターセールスのトレーニングも、オンラインに切り替えて実施。他方、新CIの導入店も進み、新規店舗も開設した。

同社では主力の新型3機種が計画通り入荷していれば、より大きく伸長できた1年だったとしている。

21年もコロナによる様々な影響は続くとみているが、二輪車の免許取得者数の増加傾向や自社および販売店での活動では質の高まりで、よりフレキシブルに活動したいという。活動では主に新型車の投入に合わせた発表イベントや販促、試乗体験の提供方法などの詳細を再検証し、新型車発売がもたらす効果の最大化を図る考えで、チャレンジの年としている。

新型車の投入で、昨年から続く新型攻勢で、ほぼ全モデルが一新する予定。

店舗に関しては、各種トレーニングの質と量の強化、既存店への新CIの導入によるブランド体験の向上、空白地域での開設加速で、お客様の満足度を更に高める計画だ。

21年も大規模なイベントが開催中止でも、小規模ながらも満足度の高い体験型イベントを提供する考え。顧客との関係を良好に維持するための活動、販売店でのCRMシステムの理解浸透と活用、新型車の投入と合わせて、20年以上に販売への期待を高めている。

マッツ・リンドストレーム社長

2021年1月1日発行・二輪車新聞新年特別号「輸入車/2020年実績と21年抱負」掲載

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