2019年より英マットモーターサイクルズ(マット)、20年より印ロイヤルエンフィールド(RE)の輸入販売を展開しているピーシーアイ(PCI)。二輪部門の部長を務める天野暁史氏はまず、20年11月より出荷を開始したREについて「まだまだ日本における知名度が高くない中ではあるが、全国のディーラー様のご協力を得て悪くない結果」と評する。

画像: PCI二輪部門の天野部長

PCI二輪部門の天野部長

これまで日本市場では、さまざまなディストリビューターがREを取り扱ってきた。PCIでは現状20店舗のディーラー(二次卸サブディーラー5店舗)に対して定価での車両販売を貫くよう推奨している。

その理由について天野氏は「エンドユーザー様からすれば安く購入できる方が良いに決まっているが、ディーラー様がしっかり事業を継続されることが肝要。ディーラー様が減ってしまっては我々も事業が成り立たないので」と説く。

将来性ある事業展開のため、同じ商圏内でディーラー同士が競合しないよう配慮もしている。専売店はまだないが、21年3月にはピーシーアイとして東京都杉並区にショールームをオープンした。ここにはREだけでなくマットの車両も展示。予約制で試乗も受け付けている。

画像: 東京都杉並区のショールーム。2階にMUTT、1階にロイヤルエンフィールドの車両を展示

東京都杉並区のショールーム。2階にMUTT、1階にロイヤルエンフィールドの車両を展示

ターゲット層についてREのグローバル戦略としては、25歳~45歳としているが、日本では50代前半の支持もある。

プロモーション展開としてはここまでリアルなイベントが開催できなかったものの、オンラインイベント『ONE RIDE』を開催。REでは毎月第1日曜日を全世界的にRIDEの日と設定し、バイクに乗ろうと呼び掛けている。なかでも4月は『ONE RIDE』として大々的なイベントを行うことにしていたのだが、日本ではコロナ感染状況を鑑み9月26日にオンラインで開催。特定のハッシュタグを付してREに乗っている姿を投稿してもらうスタイルをとり、これに予想を超える人数が参加した。

21年については「イベントがまったくと言っていいほどできなかったのが痛い。ブランド名の周知に苦戦し続けている」と振り返るも、3月開催の北海道モーターサイクルショウに出展できたことで大きな収穫を得ることができたという。

「REブースに立ち寄ってくれた来場者のブランド認知度は、わずか2%。つまりREを知っていながら買わない、選択肢に入れないのではないということ。まだまだ伸びしろはあることと、何をすべきかが分かった」

22年の販売台数については志高く「750台を目指したい」と説く。21年は300台にわずか及ばずというところ。10月13日に日本発売を公表した『Meteor(メテオ)350』が好評で、年内入荷予定のコンテナはすべて成約済みであるなど、好材料はある。また12月をめどにユーロ4対応モデルをすべて出荷し、22年1月から供給する車両はユーロ5対応モデルをメインとしたい(※インタビューは21年10月実施)。

画像: ロイヤルエンフィールド Meteor350

ロイヤルエンフィールド Meteor350

さらなる認知度向上もカギとなる。10月31日には西日本最大手ディーラーのCHOPS(株)とコラボレーションし、神戸ショールームをオープン。関西圏でも発信力を強化していく。

他方、マットも21年は前年比1.5倍と好調。学生から30代の支持が集まっている。「コロナによる自粛期間中、SNSでオーナーズクラブ『MUTTTERS』が発足し、活発に活動してくださっている。これをディーラー様と協力しながらバックアップしたい」

リアルイベントも積極的に行っていく。国内メーカーも供給が追い付かない中でのマットの好調も一過性の「特需だ」と割り切ることとし、それを前提に謙虚な戦略を立て、実行していく方針だ。

2022年1月1日発行・二輪車新聞新年特別号「輸入車/2021年実績と22年抱負」掲載

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