トライアンフとして新規セグメントである400cc機種「スピード400」「スクランブラー400X」。これらを国内導入したことが、トライアンフモーターサイクルズジャパン(トライアンフMJ)にとって2024年最大のミッションであった。
本記事は2025年1月1日発行の本紙「新年特別号」に掲載したものです。

社長の大貫陽介氏は、「400cc2機種の発表会を開いた1月25日以降100台以上を受注するなど、国内導入を成功裡に収めたことは大きかった」と振り返る。同セグメントの参入で、今までトライアンフと接点のなかった顧客層、とりわけ20代・30代の若年層や女性層にもリーチできたという。

画像: トライアンフMJの大貫社長

トライアンフMJの大貫社長

こうした顧客層の拡大もあり、24年の販売は5000台が見えつつあるという。23年に樹立した新記録4108台をも大きく上回る成果だ。悲願の年間販売2000台超えを20年に達成してからも、なお躍進を続けている形だ。

しかしながら、トライアンフを知らないライダーが依然多いとも。「リサーチ結果に現れている、つまりブランド認知にまだまだ伸び代があるということ」と、大貫氏は気を引き締める。

さらなる認知拡大および顧客獲得へのカギは、やはり販売網の拡充。24年にも金沢(移転)、盛岡(準備室)、福岡(リニューアル)、埼玉川口、郡山、仙台に新たなディーラーが立ち上がった。22年からの3年では13店舗の新規オープンとリニューアルを進めており、全国34店舗にまで拡大している。今後もネットワークを適度に拡大し潜在顧客にリーチしたい考えだ。

当然ながら同社もデジタルマーケティングを進めているが、やはりディーラーの力は大きいという。

例えばトライアンフのウェブサイトにあるコンフィグレーター(バイクを構成する)機能で、車体色やアクセサリーの選択はできるが、やはりショールームで実車を前に提案する方が効果的であるようだ。

車両購入時のクロスセル提案も大きく売上に寄与するため、それをサポートする端末「タッチ・スクリーン・キオスク」の導入も各店舗で進めている。

画像: ディーラーで設置を進めているタッチ・スクリーン・キオスク

ディーラーで設置を進めているタッチ・スクリーン・キオスク

あわせて1店舗あたり年間142台も売れている状況を鑑み、新たなディーラー支援にも着手している。「ここ数年での販売台数拡大の影響で、どこのディーラー様も大変忙しくされている。そのため各店舗での負荷を可能な限り低減すべく、新たな販売店支援プログラムを導入し、今後展開していく予定」であると大貫氏。販売網が発達したがゆえに生じるマニュアルワークを低減する仕組みだという。

また全国のディーラー側からの要望として、「トライアンフ・ナショナル・ラリー(TNR)」を各地方でも開催して欲しいとの声も上がっている。TNRは富士見高原(長野県)で開催されるファンミーティング。24年は三連休初日の10月12日に開催され、昨年比8.5%増の1404人が参加。大盛況に終わった。

画像: 大いに盛り上がったTNR2024のじゃんけん大会

大いに盛り上がったTNR2024のじゃんけん大会

そのTNRを各地方でも楽しめるようにとの要望が寄せられているのである。近年の顧客増加が背景にあり、トライアンフMJとしても応じたいところではある。「どのような形で開催できるかをじっくり考え、可能性を探っていきたい」と、前向きな姿勢を示す。

なおイベントについては「Distinguished Gentleman's Ride(DGR)」も年々参加者を増やしている。トライアンフが長くサポートしており、25年も5月18日(日)に開催予定だ。

そしてトライアンフの新規顧客の獲得について欠かせない要素として、幅広い製品ラインアップがある。これを魅力ある価格で提供しているところがポイントだ。

ニューモデル投入も旺盛で、主力のモダンクラシックシリーズでは、24年12月にスピードツイン900、スピードツイン1200/1200RSを発表。この2機種(3製品)を存分に試す機会として「5万円分の星野リゾート宿泊ギフト券付き2週間モニター」を25年1月14日まで募集している(抽選4名にプレゼント)。またモダンクラシックの新たな限定コレクションとして「ICON(アイコン)エディション」も発表。トライアンフ草創期の1907年から7年間だけ使用された筆記体ロゴをタンクにあしらった7機種には既に多数の問い合わせが届いているという。

画像: 新型スピードツインの発表会はタレントも出演し華やかに開催

新型スピードツインの発表会はタレントも出演し華やかに開催

画像: 限定コレクションとして発表された「ICON(アイコン)エディション」

限定コレクションとして発表された「ICON(アイコン)エディション」

さらに3気筒エンジンを搭載した製品も、久々のフルカウルスポーツ・デイトナ660、そして新型トライデント660、新型タイガースポーツ660を相次いで投入。25年2月発売予定のタイガースポーツ660についてはブルートゥース接続機能、クルーズコントロール、クイックシフター、最適化コーナリング ABS、トラクションコントロールといった最新機能を備えつつ税込価格112万5000円~に設定されている。

さらにタイガースポーツ800など多数の新機種が国内導入される予定であり、「製品ラインアップは全方位に拡充したので、これまで以上にトライアンフの魅力を日本全国の皆さまにお伝えできるのではないか」と、大貫氏は力を込める。春のモーターサイクルショーでも何らかのお披露目がありそうだ。

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