イタリアのファンティックおよびランブレッタ、それに台湾のSYMと3種のブランドを輸入販売するモータリスト合同会社。サイン・ハウスより独立した野口英康氏が、代表社員として2021年より本格始動させた組織だ。

「やりたいことは唯一、毎日楽しくオートバイに乗れる環境づくり。それをどういう風に実現できるのか、ということだけを日々考えている」

独立したことで決断が早くなった。10月には「カフェ&バー モータリストファクトリー」をオープンさせ、11月には「交通安全ご祈祷 with ラフ☆ダイヤモンド」を開催。「バイク祈祷」で知られる能勢妙見山 妙見宗総本山 本瀧寺(大阪府)・野間秀顕住職を招いた。

まだまだやりたいことの8割はできていないというが、焦るそぶりは見せない。地道に「我々の最初のお客様」である販売店が存続していけるよう助けることを第一に、日々の営みを続ける。

「どのブランドでも共通することだが、例えば車両の不具合で販売店様が困ったとき、我々は『原因を探すお手伝い』をする。『○○は見ましたか?』『○○○はやりましたか?』といったコミュニケーションをとっている。メカニックの皆さんに煙たがられるかもしれないが、それが知識と技術の向上につながり、製品のオーナーに対してタイムリーかつスピーディーに対応できるようになる。販売店に寄り添うというのは、そういうことだと思っている」

こうした姿勢が信頼を勝ち取り、販売店側から情報共有してくれる場面も増えているという。

現在、ファンティックは全国50店舗で販売。21年の販売数は100台ほどで、その大半が「キャバレロ」シリーズだ。

顧客はヤマハ・SR400、ホンダ・GB350、ドゥカティ・スクランブラーなどと比較する事が多いもよう。今後もこのキャバレロがファンティックの主力商品と見られる。

画像: ファンティックのキャバレロ スクランブラー

ファンティックのキャバレロ スクランブラー

17年のミラノモーターサイクルショーで復活の狼煙を上げた、老舗スクーターブランドであるランブレッタも、既に国内40店舗ほどで販売。125ccと200ccモデルを中心に、これまで250~300台を出荷した。

「そろそろ(新生)ランブレッタだけでイベントが開催できそう。このブランドの面白みは、これまで接点のなかった個客と出会えること。モーターサイクルに縁のなかった女性客がいきなり『ランブレッタに乗りたい』と販売店を訪れることや、ランブレッタに乗りたくて免許を取るといった例もある。そういった魅力のあるブランド」

プロモーション活動としてはウェブサイト運営とSNS(会員制交流サイト)での発信。一方で、広告などプッシュ型のPRには着手していないが、先述の通り「顧客の方から調べて購入してくれる」という状況である。

SYMについては伸び悩み気味であったが、国産車の品不足もあり、じわりと浸透。取扱30店舗で年間100台を販売するペースだという。

いずれのブランドも台数としてはもっと販売しなければならないが、目標台数ありきで成長を急ぐことはしない。22年もスタンスを変えることなく販売店に寄り添って各ブランドを育てていく考えだ。

2022年1月1日発行・二輪車新聞新年特別号「輸入車/2021年実績と22年抱負」掲載

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